骨のないクラゲ
オレは、生まれつき大人より体の成長が足りなくて身長は160cmくらいあるが骨の作りが子供並みで骨格?が小さいし骨も弱い。だからあまり太ることが出来ない。太りすぎると骨が体を支えきれなくて骨が折れるから食事は制限されるし動くのは少ししかダメだし。
一言で言えば不便。
今までは家族に支えてもらっていたけど親も年齢的にキツくなってきて俺の面倒を見る人が居なくなったため今は”彼氏”に面倒を見てもらっている。
そんなおれの話
☕「おはよう。」
🥞「…おはよ、」
☕「ふふ、肩出てるぞ。」
🥞「服がでかいんだよ、」
☕「そうだな。彰人に合う服があまり無いから…許してくれ。」
🥞「しょうがねぇし慣れるしかねーよ。でも、この服結構気に入ってるぜ。」
☕「ふふ、良かった。…体重測ろう。」
そう、オレは毎朝体重を計らなければならない。じゃないと太っていることに気づかなくて骨が折れるかもしれない。だから体重を測る。
🥞「の、乗るぞ、」
ぺたっ…(乗る)
41,3kg
🥞「…、少し、太ったかも、」
☕「そうだな…少し量を減らさなければならない。」
医者には45kgまでと注意されている。
だが40kgを抑えた方がいいと医者にも口出しされて40kgまで落とさなければならない。
🥞「また、食事制限か、」
☕「辛いよな、ごめんな。一緒に頑張ろう。」
🥞「…うん。」
食べることは正直めっちゃ好きで世の中にはこんなにも美味しいものが沢山あるのに「カロリーが高いから食べちゃダメ」だとか医者に口出しされて。そろそろ指定のご飯も飽きてきた。
好きに存分食べたいな。
🥞「な、冬弥。」
☕「ん?どうした?体が痛いのか?」
🥞「違う。その、…マカロン食べて…みたい。」
☕「ダメだ。カロリーが高いから食べちゃダメだと言われてるだろう?」
🥞「…そ、だよな。」
1個くらい、いいじゃん。
そんなこと言えないか。
昼ごはんはサラダにチキンが乗っている低カロリーサラダにカロリー低めのお茶。そしてタンパク質の多い小さいカップに入ったヨーグルト。
それに、薬。
サラダチキンなんてとっくに飽きた。
お茶なんかじゃなくて炭酸のジュースが飲みたい。
ヨーグルトの味も飽きた。
薬も飲みたくない。
どれも、冬弥には言いずらい。
頑張って俺のために考えてくれる低カロリーメニュー。冬弥なりに毎日調べて作ってくれるし俺のお世話もしてくれてそんなわがまま言い難い。
今日も同じ味を口に含んだ。
正直自分の体は好きだった。
皮膚から骨が見える所。誰よりも痩せている自信がある。
俺は努力をして食べたいご飯を我慢してこの体が保っているし誰よりも努力をしているし。
この誇らしい体を見世物にするつもりは無いが承認要求は満たされる。
🥞「冬弥、見てくれ、」
☕「またか。心が痛くなるから見せないでくれ。」
オレは服をたくし上げ自分の腹を冬弥に見せつける。
☕「腹を冷やしちゃダメだ。服を下ろしてくれ。」
🥞「…はーい。」
☕「…構って欲しいのか?」
🥞「…そーかもな。しらね。」
ただ、構って欲しいだけかも。
俺が冬弥に腹を見せるのは構って欲しいから。やっぱり、そうかもしれない。
☕「その体で動くのは難しいし外にも出るのは先生の許可がいる。許された事は数え切れることしかない。それは俺もわかってる。食べたいご飯も食べれないのちゃんと俺は分かってる。食べさせてやりたい。けど、命に関わるんだ。それだけ理解して欲しい。」
🥞「そんなの、分かってるよ、。」
☕「彰人。ごめんな。自由にさせてやれなくて。」
🥞「…お前のせいじゃない。俺が弱く生まれてきたから、ちゃんと母さんの腹の中で…上手に育たなかっただけだ。」
☕「彰人。その話は違う。」
🥞「だってそうだろ、俺が上手く母さんの栄養を取れなかったからこうなったんだ、自業自得だ。」
☕「違う!彰人が悪いんじゃない!自業自得なんかじゃない。」
🥞「じゃあ誰のせいなんだよ、」
☕「…誰のせいでもない。彰人のお母様もお父様も彰人も、誰も悪くないんだ。」
🥞「…マカロンが、食べて見たい。パンケーキが食べてみたい、。」
☕「…、」
🥞「5歳の時、最後に食った誕生日ケーキ。もう、味忘れちまったから、もう1回食べたい。」
🥞「なぁ、冬弥。食べて見たい。」
☕「…ごめん。先生に止められてて…、前相談したんだ。彰人にケーキを食べさせてやりたいって。けど、ダメだった。ケーキはカロリーが高いからすぐに45kgを超えてしまうと…言われてしまった。」
🥞「俺…我慢したのに。色々全部我慢したのに!ご飯も外出もわがままも…!全部我慢したのに、」
🥞「…外にも出れないし友達も居ない。俺の周りは母さんと親父と絵名と冬弥と病院の先生だけだ。俺には冬弥しか友達って呼べるような人いないんだ。一人しかいないのにそいつは彼氏だ。友達もいないのに先に彼氏出来て…俺、おかしいだろ、」
☕「我慢ばっかりさせてすまない、わがままも言わせてやれなくてすまない。外、今度行こう。どこか買い物に行こう。彰人の欲しいもの全部買おう。」
🥞「…ほんとか?外行っていいのか?」
☕「先生に頑張って許可を貰う。車椅子借りないとな。」
🥞「…!」
🥞「どこ行こう…」
☕「彰人の行きたいところでいいぞ。ショッピングモールとか…」
🥞「水族館」
☕「え?」
🥞「水族館に、行ってみたい、。俺水族館行ったことない。」
☕「じゃあ水族館に行こう。先生に電話してみる。きっと許可が貰えると思う。楽しみだな。」
🥞「うん!冬弥ありがとう。」
よかった。またパニックになると思った。外に出る許可は大体体を動かさなければ大丈夫だから水族館なら許可が貰えると思う。電話をしてみるか。
~
先生「…許可します。車椅子の方こちらで準備しますからお時間ある時東雲くんと一緒に来てもらって大丈夫ですか?」
☕「本当ですか!分かりました。今日行ければ行きます!失礼します。」
☕「彰人。許可を貰ったから明日行こう!」
🥞「ほんと!やった!楽しみ!」
☕「えっと、車椅子を病院で貸してもらうから一緒に行こう。車まで抱き抱えるから体からチカラを抜いてくれ。」
🥞「ふー、大丈夫。」
☕「じゃあ持ち上げるぞ。」
ひょい
🥞「車までレッツゴー!」
(長くなるので水族館までワープ)
☕「えっと、大人1人と大人の障害者1人です。」
店員「大人1名と障害者様1名ですね。どのような内容で車椅子を必要としますか?」
☕「えっと、骨が弱いので車椅子で…大丈夫ですか?」
店員「分かりました。なにかこちらで手伝えることや手助けが必要でしたら気軽に声をかけてください。こちらチケットです。楽しんでください。」
🥞「魚が沢山!」
☕「ふふ、あれはイルカか?」
🥞「デカくてかっこいい!」
☕「あれは…」
🥞「あれはシャチ!」
☕「すごいな。詳しいんだな。」
🥞「へへ、あ!ペンギン!」
☕「かわいいな。沢山いる…」
🥞「あのペンギン足速い!はは!すげぇ!」
☕「ふふ、あのペンギン今滑っていたな笑」
🥞「ふはっ!おもしれぇ!」
色々見た後…
🥞「…クラゲ、綺麗、」
☕「そうだな。綺麗だ。」
🥞「…、」
☕「…」
🥞「…」
☕「彰人?」
🥞「…」
☕「彰人?どうした?聞こえるか?」
🥞「あ、ごめん。クラゲが綺麗で見とれてた、クラゲってすげーな。ぷよぷよしててゆらゆらしてて他の魚とは違う。」
☕「そうだな。クラゲは死なないクラゲがいるそうだ。」
🥞「そうなんだ、クラゲ…」
☕「…!」
☕「彰人。トイレに行ってくるから少し待っていてくれ。」
🥞「わかった。クラゲ見てる。」
☕「お待たせ。」
🥞「おかえり。もう帰るか?」
☕「あぁ。楽しかったな。」
🥞「…帰りたくねぇな。」
☕「俺も、もう少しここに居たい。」
🥞「でも、またこれば良いだけだな。今日は疲れたし帰ろう。ありがとな、ここまで連れてきてくれて。」
☕「ふふ、また来よう。」
家に帰宅
🥞「ふー、疲れた。久々に外でた。」
☕「彰人。」
🥞「ん?」
☕「これ、」
冬弥が彰人に渡したのはクラゲのキーホルダーとぬいぐるみ。
🥞「え、これ、」
☕「彰人がクラゲを綺麗って言ってたからトイレに行くって言ってこのキーホルダーとぬいぐるみを買ってきたんだ。とても美しかったから。」
🥞「嬉しい!冬弥ありがとう!ふ、可愛いな。」
☕「(喜んでくれて良かった。また来よう。)」
この後病院の先生に水族館には好きに出かけていいと許可が出たので水族館の年パスを買っただとか…
END
どうだったでしょうか!
我なりに上手くいったのでは?!
感想くれたら喜びます😽
是非♡もよろしくです!
おつたに!
コメント
6件
今回も良い作品ですね!
こんな朝方にフォロー失礼します ! とても良い物語で一目惚れしました 、 ! これから 、 沢山見させて頂きます !
障害者の彰人くんもかわいい!私なら医者に駄目って言われても甘やかしちゃいます🥹