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最終話
スタッフさんが取り出したのは
康二のカメラだった。
👤「データ整理してたら⋯動画が一つ見つかって」
俺の心臓が、大きく鳴った。
👤「向井さんが撮ったものだと思います」
🖤「⋯康二が、」
ゆっくりカメラを受け取る。
👤「僕、帰りますね」
🖤「あ、ありがとうございます⋯」
スタッフさんはそう言って出ていった。
部屋が静かになる。
康二が撮った動画―――
震える指で、再生ボタンを押した。
画面が、揺れる。
たぶん、康二が自分で回している。
🧡「⋯⋯あー、これ映ってんのかな」
聞き慣れた声
その瞬間、 俺の呼吸が止まった
🧡「えー⋯⋯これ、もしめめが見てたら」
康二が、照れくさそうに笑う。
🧡「ちょっと恥ずかしいんやけど」
カメラの向こうで
いつもの優しい顔。
🧡「めめな」
少し真剣な声になる。
🧡「めめって、自分のことあんまり好きちゃうやろ」
俺の瞳が揺れた。
🧡「でもな」
康二が、カメラ越しに笑う。
🧡「めめが笑うと、俺めっちゃ嬉しいねん」
🧡「せやから」
康二は、まっすぐ言った。
🧡「めめのそばにおられへんくなることもあるかもしれへん。
でも、もし俺がおらんくなっても」
俺の手が、震える。
🧡「めめ、笑ってな」
優しい声。
🧡「めめが笑うなら」
少し照れて、
🧡「俺、それでええわ」
動画が、そこで終わった。
部屋は静かだった。
🖤「⋯⋯⋯⋯バカ」
小さく笑う。
涙が、ぽろっと落ちた
🖤「そんなの⋯⋯無理だろ」
でも。
俺は、部屋に落ちている写真を拾った
あの夜
ソファで笑っている自分。
康二が撮った、
大好きだと言ってくれた顔。
ゆっくり息を吸う。
そして
少しだけ、笑った。
🖤「⋯⋯康二、見てる?」
写真の向こうで
康二は、いつもの顔で笑っていた。
🖤「好きだよ、康二」
「俺も大好きやで」
そう聞こえた気がした。
The end.