…………三途を消してしまえば……
ーガチャー
春「あ、竜胆」
竜「ヒート終わったの?」
春「うん、蘭が看病してくれたから」
竜「そう……」
……嘘だ、あれは看病なんかじゃない
竜「ねぇ、三途」
俺は三途に近づいた
春「なに……」
春「ガッ」
俺は三途の上に跨って、首をしめた
どんどん、力をいれてく
春「りんどッ苦し……っ」
竜「お前のせいで」
竜「お前のせいで兄ちゃんが俺から離れてく!」
竜「俺の方が好きなのにっ」
竜「俺の方がかわいいのにッ」
春「はぁッ?そんなことっ言われてもッ」
竜「うるさいっ!!」
竜「兄ちゃんを返せ!」
竜「俺の兄ちゃんをっ」
蘭「春ッ?!」
春「蘭……ッ」
竜「あ……兄ちゃん!」
竜「今、今消してあげるから」
竜「こいつを消して俺と兄ちゃんで幸せになろう!」
ーボコッー
体に電流が流れたみたいだった
いや、殴られたのか
誰に?
蘭「春ちゃん、大丈夫……?」
兄ちゃん。兄ちゃんに殴られたの……?なんで。
竜「えぁ……兄ちゃん、なんで……?」
蘭「なんで?じゃねえよ!」
蘭「春ちゃんに何してんの?」
竜「だって!邪魔だったから!」
竜「俺と兄ちゃんの世界を創りたかったから!」
蘭「お前目ぇ覚ませよ!」
蘭「俺は春千夜がすきなんだよ、俺たちが愛し合ってんだよ」
蘭「竜胆、お前の事は」
聞きたくない、やだやだ
蘭「好きじゃない」
竜「ヒッ」
春「ちょ、蘭……流石に言い過ぎ……」
蘭「春ちゃんは黙って」
春「う、うん……」
俺は立ち上がって自室に戻った
横目で兄ちゃんが三途を抱きしめているのが見えた
竜「兄ちゃん、なんで……」
俺は泣いた、たくさん。
竜「兄ちゃん……言ってくれたじゃん」
ー回想ー
13蘭「竜胆、ずぅっと一緒だよ!」
12?竜胆「うん、ずっと兄ちゃんのそばに居る!」
ー現在ー
竜「兄ちゃんは、俺のことが嫌いなの?」
竜「なんで……?やだよ」
俺はまた薬を飲み始めた
苦しくなるくらい、たくさん。
ゴクン
飲めば飲むほど、苦しくなる
ゴクン
息が出来ない
ゴクン
頭、くらくらする……
ゴクン
あれ、兄ちゃんが見える
蘭「竜胆、愛してるよ」
竜「兄ちゃん……♡」
ドクンッ
蘭「お前の事は、嫌いだ」
竜「ヒグッなんで……」
頭、痛い
俺はそのまま、眠りについた
ー朝ー
竜「……朝」
竜「行きたくないな……」
竜「もう、いいや」
ーコンコンー
春「竜胆?」
竜「……なに」
春「部屋、入っていいか?」
竜「好きにすれば」
春「……じゃ、入るぞ」
俺はここで気づいた
だめだ、今は薬が置いてあるし、なにより
竜「やっぱ、だめっ」
ーガチャー
春「なに……ってえ?」
気づかれた、気づかれてしまった
春「これ……全部、蘭……?」
部屋一面に貼られた兄ちゃんの写真
竜「なに……いきなり」
竜「俺のこと冷やかしにでもきたの?」
春「……ちげぇよ」
春「その…謝ろうと思って」
竜「は?」
春「お前が蘭のこと好きなの、気づかなかった」
春「なんか、その、ごめん」
竜「もういいよ、別に」
春「……そ(絶対良くないだろこれ)」
春「……なに、これ」
竜「見てわかんない?薬だよ」
春「これ、転換薬じゃん」
春「お前βだったけ?」
竜「……うん、Ωなら兄ちゃんに愛されると思って」
春「そうなんだ」竜胆から薬を取り上げる
竜「ちょ、返してよ!」
春「やだ、これ結構危ないヤツだし」
竜「うるさい、どうでもいいでしょ」
竜「三途に関係ないし」
春「副作用、頭痛、食欲不振、幻覚、幻聴、睡眠障害、呼吸器症状、他にも色々……」
竜「だから、三途に関係なんじゃん!」
春「お前これ何錠飲んだ?」
竜「知らない、覚えてない」
春(全部で20錠、残りが4錠だから、16錠飲んだわけか、かなりまずいな)
春「これ、もう飲んじゃだめ」
竜「ッなんで!」
春「お前16錠飲んでんだよ、ほんとに危ねぇから、死ぬぞ、まじで」
竜「うるさい、死んだ方がマシだ」
春「はあ、とにかく、この薬は俺が預かるからな」
竜「なんで、ここまでするの」
春「は?」
竜「俺、あんなことしたのに」
春「ま、あのことを完全に許してるわけじゃないけど」
春「あんなことするくらい、蘭の事が好きなんだろ」
竜「もう、諦めたし」
春「でも……」
竜「あぁもう、うるさい!」
竜「もういいんだよ!」
竜「俺じゃだめだったから!」
竜「俺は、三途じゃ無いから」
竜「兄ちゃんと、幸せになりなよ……ッ」
春「……ごめん、帰るな」
ーガチャー
竜「ヒグッグスッ」
竜「うぇっゲホッ」
ービチャビチャー
竜「え、血……?」
竜「ゲホッ」
ビチャビチャ
竜「うぁ、怖……こわいよ……」
竜「兄ちゃん、助けて……ッ」
はい、しゅーりょです
続きは伸びたら書く
コメント
3件
( இωஇ )ヤバい(´;ω;`) 泣ける
竜胆