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コメント
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ああ、完結したんだね……! 最後まで読ませてもらったわ。 「かっこつけてた」って広睦くんがさらっと明かすシーン、めちゃくちゃグッときた。無理して作った楽しい時間は別れたあとしわ寄せだけ残るって言葉、本当その通りだと思うし、そこから“油断してる”って言える関係になったのが沁みたわ。 後悔はその時幸せじゃないからする、っていう春美さんの内省もすごくリアルで、年齢差とか未来の不安も含めて選んだ強さがかっこよかった。お互いを大事にしようとしてる二人が尊すぎる……お疲れさま、いい話だった!🔥
年齢差のある年下の相手を選んだのは私だ。
不安も込みで選んだんだからここから色々言われるのも想定内で覚悟を持って周りに報告をしていった。結論から言うと私の母親以外はわりと好意的に受け止めてくれた。母親も反対というより、心配してくれている。
友人たちの本音はわからないけど表向きはお祝いの言葉をもらい、結婚準備は少しづつ進めていく。
広睦くんの方は会社の人には驚かれたらしい。
上司には「野球選手も将来性のある若い奴は落ち着かせるために、さっさと結婚させるもんだ」とか何とか言われたらしくそこから野球をちょっと勉強しだしたりして向上心があってよろしい。
私たち二人は上手くやっていた。何より広睦くんが上機嫌で、私が不安になる要素が無かった。
思い返せば、初めから信用できる人だった。信用出来ないと一緒にいられない。根本的な安心感がなぜか広睦くんにはある。
若い底なしの体力で宣言通りてきぱき『詰めて』いってくれている。
私にべったりというわけでもなく大学時代の友達とも、それ以前の友達とも遊ぶし会社の同期と仕事帰りに食事をして帰る日もある。
入籍するまで一緒に住む予定も無いので、広睦くんが私の家に来ることが多い。親公認の“婚約者”になったので泊まることも多い。
「仕事さぁ、覚えること多いし、聞いた人によって答えがちがう時ない? あれどっち聞いたらいいんだよ」
それなりに仕事の愚痴も言ってる。
「……広睦くん、愚痴とか全く言わなかったのにね。あ、いいんだよ、責めてるんじゃなくて」
「俺が学生だった頃は、学生の俺が社会人に愚痴言っても、そっちからしたら大したことなくて子供っぽい愚痴で、甘えた子供だって思われるだけだろうなって」
「そんなことないよ、それぞれのしんどさってあるだろうし」
「ずっと楽しい話だけするようにしてた。俺との時間が楽しいと思ってもらえるように」
「あ……そっか」
気を使わせていたんだ……。
「あの後、一人になって考えたんだ。無理してつくった楽しい時間は別れてしまえば、手の中に残るのは無理したしわ寄せだけだなって。今は、えーっと……好きでいてくれることに油断してる」
広睦くんはへらっと笑った。
「油断してくれないと、広睦くんがしんどくなっちゃうから、嬉しいよ」
「まあ、あの頃はかっこつけてたしな。かっこつけないと付き合ってもらえない、まであったし」
「あー……なるほど」
かっこつけてたのか。結構言いたい放題だった気もするけど……。まあいいか。
――――――
時々、もし広睦くんと別れていたら、と思うことがある。
あの時広睦くんが私に会いに来てくれなかったら。ずっとベンチで私に会えるまで通ってくれなかったら……。
広睦くんは涼しい顔をして前を向いて歩いていく。何事もなかったように、私はあなたにとって通過点の恋だった。私は、最後の恋だった――。そんな未来を想像して胸がぎゅっ痛くとなる。
「春美ちゃん、どうしたの。早くしないと俺帰っちゃうけど。明日の仕事のために帰っちゃうけど」
もっともらしく繰り返すからつい、試してしまう。
「ふうん、じゃあ、私はキスしてくれるまでここで待ってよう」
目をつぶってその場に立ったまま耳を澄ませた。……足音が遠ざかる。帰ろうとしてるな、これ。
「早くしろよ、お姉さん年取っちゃうだろ」
「あはははは」
ダッシュで戻って私に求めたものより過分なキスをしてくる。
――後悔はその時幸せじゃないからする。広睦くんと付き合わなかったことを後悔するのか、婚活が遅くなったことを後悔するのか。広睦くんを選んだことを後悔するのか。年の差を後悔するのか――。
――この日の小さな選択と大きな決心が、私の人生を変えたんだと後になって気づくことになる。
未来はわからない。
けれど、確かに幸せな今を過ごしている。
「結婚で一番大事なのはさ、何だと思う、春美ちゃん」
「ええ、お金じゃない? 」
「……二人の気持ちだって」
「随分ロマンチックなのね」
1,069
瑠璃🍫✨💭ྀི
183
「違う違う。“二人の気持ちを大事にすること”どちらかの気持ちじゃなくてね」
窓の外では、爽やかな風が青葉を揺らしていた。
――――――end