死にたい赤葦
梟谷学園
練習後
鷲尾
「…赤葦。ちょっといいか。」
赤葦
「はい?どうしたんですか?」
練習後。
いつものように着替えていれば、急に鷲尾さんから話しかけられた。
普段こうやって喋らないから、純粋になんだろうと興味が湧いてきた。
しかし、その好奇心に裏切られる事になるのを俺は知らなかった。
鷲尾
「…境界性パーソナリティ障害。知ってるか?」
…おい、嘘だろ。
まさか医者以外からその言葉を聞く事になるとは。
焦りと驚きが混じった脳内は判断力を鈍らせる。
いや、まぁそりゃ、知ってるに決まってるだろう。
だって、実際そうだと診断された人間なんだから。
だとしても、そうとは言わずに嘘で答える。
赤葦
「はい…知識程度には。」
鷲尾
「じゃあ分かるだろうが、その症状を思い浮かべてみてくれ。」
「…なぁ。今のお前にそっくりじゃないか?」
赤葦
「っ…」
症状。
それは医者から何回も聞いた言葉だ。
そしてそれが今の自分の症状だって事。
「そっくり」なんて、そんな事言われなくても分かるさ。
そっくりじゃなくて、そのまま本当なんだから。
鷲尾
「…悩みがあるならちゃんと話してほしい。見ているこっちも辛いんだ。」
はぁ?何を言ってるんだ。
何も知らない癖に力になりたい?馬鹿げている。
怒りが高まっていく。
もう嫌だ。さっさとこの話を終わらせたい。
赤葦
「…大丈夫ですよ。話さないと行けない事が出来たらよろしくお願いしますね。」
鷲尾
「赤葦、待て…」
赤葦
「うるさいな、放って置いてくださいよ!」
思わず手を跳ね除けて、そのまま更衣室を出てしまった。
荷物は持ってこれたから、このまま帰ろうと思ったら帰れる。
多少の罪悪感はあるが、今はそれどころではない。
ただこの怒りをどうにかしないと。
木兎
「ん?赤葦もう帰んの?」
赤葦
「……はい、さよなら」
木兎
「おう…じゃ……」
もう帰ることしか頭にない。
周りは二の次だ。
歩いて、歩いて。
その後は、いつの間にか家に着いていた。
家に帰って、自室にこもる。
次に飛び出た一声は。
赤葦
「…あー死にたい。」
それだけだった。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ 2500いいね
(ちょーし乗りすぎ笑)または自分の気分♩
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