なんで、本当に誰も教えてくれないんだ、
『次は左馬刻でいいか』
ピッ
『なんだぁ?乱数』
『あのね〜左馬刻様にお願いがあってね〜!』
『そんなことかよ、で?何だ?』
一応聞いてくれる左馬刻は893だが優しい、妹をあんな風にさせた俺からの頼みも聞いてくれた
『最近変な夢見るんだよ、「飴村さんッッッ!!」ってボクの名前が呼ばれるんだよ〜』
『っ?!そ、そうなのか?』
『左馬刻も元チームの人とまだ仲間でしょ?』
入間銃兎と言っただろうか?そいつは警察官だこういうのにもきっと慣れているだろう。ボクは期待に溢れていた。
『そうだが……えと』
『?どしたの?うさちゃんだって警察官でしょ〜?』
『銃兎は、そうだが』
『ねぇ、もしかしてさ、傷つけたくないとか言うんじゃないだろーね?』
『っ?!』
図星だった、左馬刻もやっぱり同じことを言うんだ。それと同じく何か知ってるんだ。言い訳をどうせ並べるのだろう呆れてものも言えない。
『しゃーねぇだろ乱数、俺様だって傷つけたかぁねぇよ…』
『別に傷つけても良くない?合歓おネーサンをああしたのはボクだよ?』
『今は真正ヒプノシスマイクの効果も切れたからいいんだよンなもん』
ンなもんって言える左馬刻がすごい。大切な人をあんな風にされて、戻ったとしても俺ならずっと恨むだろう。なんせ大切なんだから、イチローも寂雷も、俺に優しすぎる。
『で、やっぱり何も教えてくれないの?』
『おお、そなんだわ』
『ふーん、そうなんだ〜』
『センセーにも言われちまってるからな』
やっぱり寂雷達は話し合ってる。みんな同じことを言うのだから。そして相変わらずボクの探してる相手は実際するという事実は変わらない。本当にいるのだろうか?いたとして何を話す?
『じゃーね』
ピッ
なんか少し疲れたな、事務所に帰ろう。ずっと立ちっぱなしだ。周りから変に思われるだろう。「大切」な気がするだけで探す俺もおかしいのだろうか?でも「傷つけたくない」と言うのだからやはり関係はある?
『ヴッウウッ』
なんだ?急に頭が痛くなって……何か見える?聞こえる?なんなんだコレは
『飴村さん』
そうはっきり聞こえた
『あ、お?』
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
『あのね〜左馬刻様にお願いがあってね〜!』
乱数はそう言った。一郎やセンセーから聞いていたがまさか本当に乱数がアイツを探しているなんて思いもしなかった。なぜなら忘れてるはずなのだから、それを考えると何かが乱数に残っている。
『俺だって、合歓のことを忘れた訳じゃねぇよ』
確かに合歓を、妹をあんな風にされて普通の状態を保てる訳がない、だがそれと同じく一郎の大切な弟をお構い無しに合歓を助けようとしたのも酷い事をしたと今では思っている。そう考えると乱数の大切にしていたアイツの事は話さずにはいられない。でも逆に考えると乱数を傷つける。何が正解なのだろう。
『なんでこんな難しいモンを神は与えるんだろーな』
傷つけたくない、そんな思いが逆に乱数を傷つけてるのか…答えは返ってくる訳がない
プルルルルプルルルル
『大変だ、左馬刻君』
かけてきたのは先生だった
『大変って何がですか、センセー』
『飴村君が彼女の容姿思い出してきてる。』
『え?』
これからどうやって思い出さないようにさせればいいのだろう?
コメント
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左馬刻様いい人…そしてやっぱ夢の声思い当たりがあるわぁ…!