玄関のドアがバタンと閉められると、彼から抱かされたミコのぬいぐるみを両腕にきゅうーっと抱えた。
「……行っちゃったね、ミコ」
顔を向かい合わせて話しかける。
「ちょっと寂しいかも。また会社で、すぐ会えるのにね」
ぬいぐるみとおしゃべりをしている体で、自分に言い聞かせるようにも話し続けた。
「そういえば、ミコに嫉妬を感じそうだとか言ってたっけ。……チーフったら」
そういう何気ない言動も大好きでと思えると、今さっき別れたばかりなのに、もう会いたくて仕方がなくて、さらにぎゅうと強くぬいぐるみを抱き締めると、
ほのかに彼のつけているのだろうウッディ系のメンズコロンの香りが鼻先をくすぐって、ふわふわの毛並みに思わずぽすっと顔を埋めると、チーフがそばに寄り添ってくれているみたいで、一人寝の寂しさも感じられなくなるようだった……。
コメント
1件
ミコちゃんにウッディな香りがついていて安心して寝られるかな。 できれば一緒に寝たいよね😊