コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ねぇ美都、最近チーフとはどうなの?」
「どうって……、」
ランチを済ませた後にコーヒーを飲むために寄ったカフェで、愛未からそう切り出されて、ブレンドのカップを手に口ごもった。
「もうキーホルダーに付ける合鍵は、チーフからもらったの?」
昨日の夜のこともあって、あえて進展具合を話すのはなんだか照れくさくて、手にしたカップをもてあそびながら何も言い出せずにいたら、今度は愛実の方から、そう切り込まれてしまった。
「……ま、まだだってば……」
やっとそれだけを口に出すと、
「えー、でももう付き合い始めて、けっこう経ったでしょ?」
うつむいた顔を、下からアミに覗き込まれた。
「半年経ってないし、まだ……」
「だけど、そろそろ四、五ヶ月ぐらいにはなるよね? いい機会だし、美都の方から、合鍵ほしいって話、してみたら?」
「そんなこと、自分からは言えないって」
エミの相変わらずのストレートすぎるツッコミに、どう反応したらいいかわからなくて、曖昧な表情で苦笑いを浮かべた。
「たまには、美都からアプローチするのも、いいと思うけどなぁ〜」
エミが頬づえをついて呟くと、
「私も、それ賛成。美都からの積極的なアプローチ、チーフも待ってるかもよ?」
アミがその後を続けて、たきつけるようにも話した。
「……そ、そうかな」
お酒に酔って矢代チーフに家まで送ってもらった昨夜のことが思い出されると、もう少し私が積極的になっていたら、もしかしたらチーフもすぐには帰らないでいてくれたのかもしれないようにも、ふと感じられた……。