『誰が生まれてこいなんて言ったのよ!!』
『化け物が!』
あぁ醜い子供相手に化け物だの死神だの吐き散らすお前たい大人が本当に醜く汚らしい物に見える。だが俺には、発言の権利がないから黙って大人達の罵声を聞くだけ
「ごめ…な…さい」
でも大人が言ってることは、正しいから、俺が生まれてから大人達の人生が変わったんだってそれが”幸せ”から”不幸”に変わったんだって
『ッ止めろよ!何になんだよこんなに子供に当り散らして』
『何?!こいつの味方をするの?ナイン』
『味方も何もこの子は、ただあんたらが生んだんだろ!それを不幸続きだからって理由で当たり散らして良いのかよ!』
『あぁうるさいうるさいうるさい!!』
『こんなやつ産むんじゃなかったわ!』
『…ごめ』
毎日毎日空き瓶やらトンカチやらで殴られてバットで殴られて怒鳴られてでも死ぬことを兄に邪魔されて
『ナ…ト、ナイ…トナイト!』
『ッッ…ナイト…?誰?』
『君だよ』
『僕?』
『うん君、今日から君の名前は、ナイトだよ』
『う…ん』
兄は、俺にナイトと名付けた
(ぼくに、なまえ…良い事なのかな)
“生きてちゃダメなのに”
こんな嬉しいって気持ちを与えてもらってもいいのだろうか
『良いんだよ…』
『え…?』
『ナイトだって幸せになっていいんだ…その権利だってナイトには、あるはずなんだから自分の気持ちに適度に素直になることって言うのは生きる上で大事な事だよ』
『ッ…』
自分の…気持ち
『分から…ない』
『ナイト…?』
『その自分の気持ち…が分からない』
分からないただただ大人達のために死なないといけないそれしか頭にないから
『…そっかでもねナイト今すぐ自分の気持ちを出しなさいじゃないの』
『?』
『ゆっくりゆっくりまずは、自分の存在を肯定できるようにそれから「自分」を見つけようね?』
『見つけ…られるの?ぼくなんかに』
『誰でも見つけられるさゆっくり歩き方を覚えるのと同じだよ』
兄は、にっこり笑ってそう言った
でも兄は、年々成長して俺の学費を出せるくらいになると俺を他人に預けて遊び回ることが多くなった。俺には、『バイトに行ってくるから泊まらせてもらって』と笑顔でそう言いながら俺の方振り向かずに俺を知らぬ男に預けて行った。またここから地獄が出てきた。
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