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・vcrgta2 のrdgocです。
・急展開かもしれません(絶対そう)
・走り書きです。
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「あれ、らだおくんじゃん」
「どもー」
快晴の下。大の字でみっともなく血を垂れ流しながら、優雅にも見える運転技術で傍におりてきたヘリからの声に、軽く返事をする。エンジンの音が止まり、人の気配が近づいてくる。瞑っていた目を開いてみれば、そこには白と黒の髪をした、何処か幼げな顔を持つ青年…もとい、ごっちゃんが居た。可愛げな容姿に対して、男らしさのある低めの声が出てくるのには未だ慣れない部分もあるが、そこもいい所だろう。多分。
「珍しいじゃん、お抱えじゃない個人医呼ぶなんて。」
「いやぁ、それがアイツ今いないんすよ。用事があるとかなんとかで。」
「へえ〜、そうなんだ?まぁ、そもそも今時間個人医自体少ないからなぁ。ワンチャン俺起きてなかったらゼロ?」
「やばっ、ありがとうごっちゃん。まじ感謝だわ」
棒読みに近い感謝に、若干疑いの目が向けられるが、知らんふりを決め込んだ。そのまま特に追求されることもなく、慣れた手つきで治療を施される中で、暇を持て余していた目線はじっと彼に向けていた。今日はパーカーじゃなくて白衣なんだな、とか、相変わらず黒と白の服だなぁ、とか。色々見尽くして、パッと目線を戻してみればバチ、と目と目が合った。ああ、瞳は赤だったな。
「…ジロジロ見られると恥ずかしいんだけど」
「暇だったもんでつい。」
「相変わらず呑気だなぁ〜」
呆れ笑いを零す彼を、指摘されても尚じっと見つめる。巷で空の悪魔(本人は青カナブンと主張しているが)と呼ばれている自分とは対照的に、天使のような優しい光を持つ彼はどうにも眩しい。けれど、それが好きでもあった。誰にでも手を差し伸べる、天使のような彼。その彼から向けられる瞳を、独占出来たら、なんて。
(らしくも無いなぁ、こんな事思うなんて)
ただ独り言のように、心の中で呟いた。それは自嘲ではなくて、不思議に近い感情で。恋には全く興味がなかったはずなのに、気づけばこんなにも惹かれていて、独り占めしたいと思うほどに恋焦がれている自分が、おかしくて、不思議でたまらない。それを理解しようとも思わないし、否定するつもりもない。だから、恋心から発せられる欲の声にだって、拒むことなく従うのだ。
「……はい、治療終わったよ。治療費請求しとくからね〜」
「___、」
「……え?なになに、聞こえなかったんだけ、…ど、」
すっかり痛みの無くなった手を伸ばして、頬に触れた。その行動に驚いて固まっているのを良いことに、寝そべったままの身体を起こして、距離を縮めた。こんなに近くで顔を見るのは初めてかも、なんて呑気に考えながら、囁くように呟いた。ありのままの感情を、惜しみ無く伝える為に。
「好きだよ。ごっちゃん」
その言葉に、赤い瞳が見開かれる。そりゃビックリだよな、突然告白されるなんて。ハハ、と思考の中で笑いながら、あぁ、今なら。と顔を動かした。ちゅ、と定番の効果音は無いが、それでも確かに唇は重なり合って。けれど長い時間する訳でもなく、顔を離してみれば、そこには真っ赤な顔がひとつ。
「……ワオ、真っ赤っか」
「ッ〜〜〜だっ、誰のせいだと……!!」
「ハハハ、俺でしょうねぇ」
ニコリと笑みを張りつけながら、考えた。告白と突然のキスに、引くなり嫌悪感を露わにすることもなく、なんなら林檎のように真っ赤に顔を染め上げている。これ、脈アリか?いや、そうに違いない。妙に冷静(なのか怪しいのは置いといて)な頭を動かして理解していくと同時に、口角が自然と上がっていくのを感じる。今、自分はどんな顔をしているだろう。さぞかし気味の悪い笑みを浮かべているんだろうな。成瀬にキモって言われそう。脳内再生が余裕の様子を思い浮かべながら、頬から腕を動かした。腰あたりに、がっちりと手を回すように。ごっちゃんが座ってて良かった。
「エッ、ちょ、何」
「ホラ、告白の返事。ちょうだいよ。」
「今ぁ!??てか冗談じゃないの!?」
「キスもしたのに冗談なわけないでしょ」
「……それはぁ〜〜……そうか。そりゃそうだなぁ……」
ぐぐ……と肩を押されるものの、ギャングと個人医での力の差は歴然で。ぴくりとも動かない様子に逃げるのは諦めたのか、目線だけは逸らしてはうんうん唸っていた。だいぶ混乱しているらしい。いや、誰だってこんな状況になれば混乱はする。助けてはしてやらないけど。(そもそも混乱の原因は自分にあるし)
「早くしないともう1回するよ〜」
「はっ!??!ちょっ、待て待て待て、らだおくん。落ち着こうって!」
「俺はずっと落ち着いてるよ」
「……ぐっ………、、、……。」
分かりやすい動揺に、若干面白がりながらじっと催促するように見つめた。その目線に観念したのか、ごにょごにょと文句のような言葉を零しつつも、ようやっと逃がしてた目線を向けてくれた。普段は見れない弱々しさを纏って。
「…………お、…」
「……お?」
「…………俺も、同じ……気持ちだよ。」
「…同じ気持ちって?」
「そっ、わかるだろって!!」
「ちゃんと言ってくれないとわかんないなぁ〜」
「ッ〜〜、……わかった!分かったから!…俺も好きだよ!らだおくんのこと!」
「ヨシ。じゃあ恋人として宜しくね、ごっちゃん」
「…………ぐ……、こういうのってこう、もっとムードとかそういうの、ある筈なのに……」
「よ ろ し く ね 、ごっちゃん?」
「……………、……………………ヨロシクオネガイシマス。」
半ば強引ではありつつも、返事を貰えたことにより見事成立。上手くいくもんだな、と自画自賛をしながら、背を丸めてくごっちゃんを見やる。犬耳としっぽが垂れ下がっているようにみえて、しおらしい様子が可愛くてたまらない。いつもは余裕を持っていて、しっかりと大人の雰囲気を纏っているのに、今は押されまくりの感情が分かりやすい可愛い人である。これをギャップとも言うのかもしれない。まぁどうでもいいけど。
( 番さんモンちゃん辺りに言ってみようかな )
さぞかし驚くだろうなぁ。ととんでもない事を計画する傍ら、まだ顔が近くにあったのでキスをしておいた。ごっちゃんはと言えば、それはもう分かりやすく肩を跳ねさせてビックリしていた。意外と初心だな、この人。
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〜後日〜
青のリングをプレゼントした。
「……もしかしなくてもさ、らだおくん結構浮かれてる?」
「まぁ、ごっちゃんが俺の色身につけてるって考えたら、そりゃあネ」
「……………恥ずかしげもなくよくもまぁ……」
「ふはは」