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清水 涼汰
神崎 純
しとしと…
外には雨が降り、窓を濡らしていた。
窓を流れていく水滴、雨が降る音、全部僕には特別なものだ。
6月15日、今日から梅雨の時期らしい。
僕が好きな屋上へは当分行けないだろう。
「はぁ、退屈。」
そう口にしたのは、隣の席の涼汰だ。
「なぁ、そう思わねぇ?」
「まぁね。」
「だよな、雨が降ってっと、気分まで下がっちまう。」
「確かにな。」
僕はそう答えた。
「梅雨の時期なんて、屋上にも行けねぇし」
「外でも遊べねぇし」
『なぁ〜』
僕らは小さい頃から一緒にいる。
所謂幼なじみと言ったところだろう。
涼汰は、昔から雨が嫌いだった。
外で遊ぶのが好きだったからだ。
僕はそんな涼汰と遊ぶことがとても楽しくて、
いつも時間を忘れて遊んでしまって、よく親に怒られた。
でも、怒られても尚、僕らは時間を忘れて遊び続けた。
僕らの両親は、両方とも小さい時からの友人らしい。
そんな偶然あるのか?と最初は思った。
そんな縁もあって、僕らは頻繁に会うようになった。
それが仲良くなるきっかけだった。
でも、僕と遊ぶ時は決まって[雨]だった。
僕が雨男ということだろうか。
だから、僕らは家で遊ぶことにしていた。
僕にとって雨は、涼汰と仲良くなる日になっていた。
でも、涼汰には雨が外で遊ぶことを拒む、敵みたいな存在なのだろう。
だから、涼汰は雨が嫌いなのだ。
「……なぁ、おーい、聞いてるか?」
「へっ?」
「なんだ?その間抜けた返事は」
「俺が話してるってのによ〜」
「ごめんごめん笑思い出してたら、つい」
「なになに?何を思い出していたのかな?」
「お前の雨嫌いのこと」
「なんだよ〜つまんねぇの」
涼汰は口を尖らせてそういった。
このくせは昔っから変わらない。
自分の思い通りにいかないと、すぐ口を尖らせる。
「つくづく子供だな、」
やっべ、まずいぞ、これはぁ…
「おい!今なんて言った?」
あぁ〜やってしまった。
涼汰は子供と言われることをとことん嫌がる奴だ。
「僕としたことが…!」
「ぼそぼそ言ってねぇで、はっきり言えよ!」
この声量オバケが!周りに丸聞こえだろうが!
でも、僕は口にしない、こいつと違って僕は大
人だ。
「うるせぇんだよ!この声量バカが!」
「あぁ?もう1回言ってみろ!」
「声量バカって言ったんだよ!聞こえなかったのか?この脳筋!」
僕らは、こいつのやけに声がデカいせいと、理解力のなさで、直ぐに喧嘩になる。
僕にも非がある、でも、こいつの方がよっぽどだ。
そんなこんなで、毎日を過ごしていた。