テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⸻
第4話 平和なはずの昼休み(※修羅場)
王立学園・中庭。
昼休みのテーブルに、異様な沈黙が落ちていた。
(……なぜ、誰も喋りませんの?)
リリアーナは優雅に紅茶を飲みながら、内心で首を傾げる。
向かいには王太子アレクシス。
右には騎士カイン。
左には宰相補佐ルーク。
少し離れて、そわそわしているエマ。
(席が、重すぎますわ)
沈黙を破ったのは、アレクシスだった。
「リリアーナ。
最近、随分とエマと親しいようだね」
声は穏やか。
目は穏やかじゃない。
「ええ。良い方ですもの」
(地雷)
カインが、静かにナイフを置く。
「……放課後も、一緒にいましたね」
「勉強を少々」
(爆弾)
ルークが眼鏡を押し上げる。
「学習効率だけで言えば、
私が最適ですが」
(追い打ち)
エマは耐えきれず、立ち上がった。
「あ、あの!
リリアーナ様は、誰にでも優しいんです!」
全員が、同時にエマを見る。
「……それは、分かっている」
アレクシスが微笑む。
「だからこそ、問題なんだ」
(なにがですの)
リリアーナは、完全に置いていかれていた。
⸻
そこへ。
「失礼しますわ」
聞き覚えのある、甘い声。
現れたのは、
リリアーナを快く思っていなかった貴族令嬢たち。
「断罪、失敗なさったそうですわね?」
(来ましたわ、二次災害)
だが――
「その言い方は感心しないな」
アレクシスが、冷ややかに言う。
「彼女を侮辱するつもりなら、
この場を去ってもらおう」
「彼女に失礼だ」
カインが一歩前へ。
「事実無根の噂を流すのは、
記録に残りますよ」
ルークが淡々と告げる。
(フルガード)
令嬢たちは青ざめて退散した。
⸻
静寂。
エマが、小さく息を吸う。
「……リリアーナ様は、
一人にするべきじゃないと思います」
「同感だ」
「異議なし」
「合理的ですね」
(囲まれてますわ)
リリアーナは、ようやく悟った。
(これは……
守られているのではなく、
取り合われていますわ……?)
彼女は、そっと立ち上がる。
「皆さま」
全員の視線が、集まる。
「仲良くなさってくださいませ。
私はただ、平穏に学園生活を送りたいだけですの」
沈黙。
次の瞬間。
「それは無理だ」
「難しいですね」
「論理的に不可能です」
「……はい」
四人が、即答した。
(詰みましたわ)
こうして悪役令嬢リリアーナは、
断罪を回避した代償として――
逃げ場のない好感度修羅場に
正式突入したのだった。
(なお、本人はまだ本気で逃げる気でいる。)
⸻
気に入ってくれたら嬉しいなー…🥲
フォロー,いいね,コメントお願いします!!🙏
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!