『』
「『光を我らに』か…聞いた事ないな。」
顎に手をやりながら指先で絵画に触れる。
だいぶ経ってるな…
「いや、ほんとに!ほんとになんもやんないってばっ!」
自分はナイフと炎を避けながらそう訴えるが容赦なく攻撃をしてくる。
「そんな訳ないやろ。騙されへんぞ」
「ほんとにね。早く出て行けばよかったのに」
もう~何でいつもこんな事になるんだ!
「ふぅ~…」
立ち止まりゆっくり深呼吸をする。走り回っていたからか服装がよれている。
「もぉ~お前ら俺の事好きすぎ。ならこっちも本気出しちゃうもんね!」
二人は戸惑っているのかはたまた呆れているのか分からなかったがずっと睨んでくる。
青色ニット帽を被り直し咳払いをする。
「とっておきのサービスだっ!」
そう大声で言ったかと思えば辺りが暗くなる。 微かにだがうなり声が聞こえる。
「なんか来んのか?」
自分が炎を出し辺りを照らす。
「…!」
思わず息を呑み込む。
さっきまでの男が怪物かの様な、いやあれは怪物だ間違いなく。そう思うと背中に冷や汗が流れる。
「な、何あれ…さっきまでの奴なんだよね…?」
「人間に変身するやつか…まぁ俺らには勝ち目はないな。」
堕天使はぼろぼろな翼を背中にしまい座り込む。
「おいお前いつまで突っ立っとくつもりや。死ぬぞ」
「あ、あぁうん」
釘付けになっていた目を無理やり外し倒れるように座り込む。
すると怪物は大きな目を閉じる。すると青い球体が何個も怪物から出てくる。
怪物は青い球体で見えなくなった。
「ソロソロ戻ロウ」
みどりはくるりと振り返りゆらゆらと揺れる足で外に出て行ってしまった。
「あ、ちょっと」
ガコン!
「痛って!あーやっちゃった…」
急いでみどりの後を追い掛けようと走ったときに扉の横にあった箱を倒してしまった。
箱からスケッチブック、色鉛筆等の物が床に転がる。
「あ、スケッチブックか…久しぶりだな」
スケッチブックを拾い上げペラペラとめくるがほとんどのものが破けてしまっていた。
残っていたのはたったの2ページだけ。
せっかくなら…
自分は散らばった色鉛筆を一つ取り描き始める。
「ラダオクン」
ラミン達が群がっている内の一匹がこっちに飛んでくる。
「ラーラー!」
『もう終わったよ!らっだぁは今戻ってるところ!』
「ウン、ワカッタ」
手にラミンを乗せらだおくんを見る。
「あ、みどりー。お前ら何処行ってたんだよ!」
そう一言を言った瞬間らだおくんの周りにいたラミンたちが霧の様に消えていった。
らだおくんはけらっとした顔をしながらこっちに走ってくる。
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