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逆のカプ見たの初めてだけど良い… コメント失礼しました
2024.12.31
水目線
今日は実写動画、もとい3Dでの撮影があるためワイテハウスに来ていた。それも集合時間の二時間前に。
別に時間を間違えてしまったわけではなく、とあるメンバーに相談があるから早く来てくれと頼まれていた。
ディスコでもよくないかと提案したが、どうやら会って話したいとのことだった。
「んで?俺に相談したいなんて珍しいじゃん、きんとき。」
「あー…いやぁ、ごめんねぇw」
横並びでソファに座って数分間、沈黙が流れる。
促してもすらりと内容を話し出さないあたり、そんなに言いにくい重い話なのかと姿勢を正す。
「スーーッ……あのさ。どうやってぶるっくのこと誘ってる?」
……は?
「えーと……あのー、きんときさん?それはそーゆーことの誘い方と受け取っていい?それとも俺の思考が卑猥なだけ?」
「ううん、夜の話であってるよ。」
「おぉう……」
みんな付き合っているとは言っていないが、誰が誰と付き合っているのか日頃の雰囲気から分かっている。もちろん、俺とぶるーくが付き合っていることもみんなにバレている。
別に隠しているわけではない。
正式に自ら言うのが恥ずかしいだけだ。
「本っ当にごめんだけど確認させて?きんときってシャークんと付き合ってるよね?俺に相談してるってことは俺と同じ受け側ってことでいい?」
「……うん、そう、だね。」
「へぇ、こっち側なの意外だな。」
「だよね、俺も抱くつもりだった。」
なぜ俺に相談してきたのか問えば、口下手なスマイルより甘え上手な俺の方が適任だと判断したらしい。まぁ、それは正しいだろう。ワイテ内で一番の甘え上手だと自覚している。
「シャークんってさ、どっちかっていうと性に消極的じゃん?いつまでも抱いてくんないからもう俺からいこうと思ってさ。」
「……え?まだヤったことないの?んじゃ、受けか分かんなくない?」
「あー、いや……なんかキスの感じで///」
「なぁるほどねぇ……抱かれたいって思っちゃったんだw」
恥ずかしがりながらも頑張って伝えようとする初々しさにこちらまで照れてくる。
他がどうかは知らないが、こんなふうにメンバーの誰かと恋愛相談をするのは初めてだった。メンバーの性事情なんて知りたくないと思っていたが、やはり恋バナというものは楽しいもので次第に羞恥心も薄れてゆく。
「あ!でさ、どうやって誘ってるか教えてよ!」
時計に目を向けると本来の集合時間がだいぶ近づいていた。
「別に普通だよ?ハグとかキスとか。」
「そーゆー接触じゃないやつならぶるーくのTシャツだけ着たり、ベッドで寝てみたり。」
「だよねぇ、でもやっても手出されなかったんだよね……w」
「露出したところで見慣れてるし、同じベッドで寝てるし。」
「うーん……んじゃあ思い切って乗る?騎乗位と同じ体勢になってみるとかいいんじゃない?」
「あー、それだったら確かに良いかも。」
「よし!身長的にもちょうどいいし、俺がしゃけ役するから実践してみよ!!」
「えぇ……まじ?恥ずいなぁw」
行動ならば実際にやってみて修正するほうがいいだろう。
くつろいでいる感じをだすためにソファの上でスマホをいじるフリをする。
戸惑っていたのか少し時間が経ってから、きんときがゆっくりとソファに乗り上がる振動が伝わる。
俺に近づいてきてスマホを取られる。
そのまま視線を動かすときんときと視線が交わる。
羞恥と期待が混じった艶やかな表情。
そのままゆっくりとソファに沈められる。
俺の下腹に跨り俺が言った言葉を吐く。
「ねぇ、はやく俺のこと抱いて……?」
今まで聞いたことのない酷く甘えた声。
自分からやってくれと頼んだのに、聞いてはいけない声を聞いてしまったような気がする。
「……きんっ」
「な”ぁ、さっきから何してんの?」
玄関に通ずる扉から聞こえた唸るような低い声。
きりやんに宥められている男。
シャークんから発せられた声だった。
最悪だ、タイミングが悪すぎる。
話が盛り上がってしまった自覚はあるが、まだ集合時間にははやい。
なんでこうゆうときに限ってはやく来るんだよ。
「何してんだって聞いてんだよ”、な”ぁ。」
「きんとき。」
突然のことすぎて固まってしまう。
いつもはすらすらと紡がれる言葉も全てが油になりそうで口を噤む。
まずい、まずい、まずい。
やらかした。完全に俺のせいだ。
おい、なにか言えよ。動けよ。
いっつもいらんことばかり言うくせに、なんでこーゆーときだけ言葉が出てこない。
喧嘩になってしまう?
誤解が解けずに別れてしまう?
幸せそうに笑い合うコイツらがみれなくなる?
それは嫌だ。
んじゃあ、なんかいえよ!!
なんでもいいから、俺が全て悪いと……!
「ごめんっしゃけ!俺がっ…」
「ぅるせぇよ”。わりぃけどきんとき連れて帰るわ。」
「!??しゃけ!ちょっと待って!聴いて!」
「ちょ、シャークん!?撮影は!?」
「い”っ!シャケ、痛いって!」
三人の制止する声を無視してきんときの腕を引っ張りながら玄関へ向かう。
俺も慌てて玄関へ向かうが白い光が目に入る。
「きんとき!荷物は!?」
持ってきたリュックサックもそのままに連れ出される彼。
「大丈夫っ!!」
俺が提案しなければと申し訳なさや不安が溢れてきたとき、閉じゆく外の世界からみえたその顔に全てが吹き飛んだ。
おい、ふざけんなよ。
この策士め。