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『BLUE AMBER THE LUV』
〜俺の気持ちに気付いて欲しいです〜
THIRD COLOR 主様の秘密
初夏のある日、書庫
お昼
『フェネス、この本面白いね。』
『ふふ、喜んでもらえて嬉しいです。』
『ボソッ。あの人も喜ぶかな。』
『え?』
ボソッと呟いたそれを聞き逃さなかった。
『あ、えっとね。最近仲良くなった人なんだけど、貴族の人で。悪い人じゃないんだ。悪魔執事のことも尊敬してる人で、懇意にしてる人なんだ。その人も本読むの好きでね、この本勧めてみようかな。』
『そう、ですか……。』
主様だって1人の人間だ。誰かを好きになることなんて、必然だよね。でも、なんだろう。この気持ち。俺の勧めた本を貴方以外の誰かに教えるなんて――俺は嫌だ。
俺は主様の隣に座る。
ガタッ。
『フェネス……?』
『主様、俺、嫌です。主様が他の男の人の話をしてるのは……。』
『それって、どういう……。』
『っ……。』
言ってしまったら、貴方は俺のことを執事としては見てくれない。それなら、執事の方が1番近くに居れる。意識はされずとも、貴方の傍には居れる。でも、俺は――。それでも貴方に気付いて欲しい。
『秘密です。』
『えぇ?教えてよ〜。』
『ふふ、まだ俺はそこ覚悟ができてませんから。』
ずるい人。本当は薄々気づいて欲しくて俺はそう告げたのに。なんて、ずるいのは俺か。
『その人の事好きなんですか?』
『そ、そんなんじゃないって。ただいい人だなって。』
仮にもしその人とどうこうなろうものなら、俺はきっと自分を抑えられないだろう。
『嫉妬』が俺を支配するように。
初夏のある日 キッチン
午後
『ふぅ……疲れたな。甘いものでも食べるか。』
鍛錬帰りの俺はキッチンに向かっていた。
『ここは、こうして……よし、出来た!』
『主様?何か作ってたんですか?』
『ハウレス!うん、最近仲良くなった貴族の人にお世話になってるからお菓子を……』
『!』
顔を少し照れさせて話すその姿に胸が痛んだ。
『その人とはいつから……』
『最近かな。天使に襲われてた子供を助けたとき、一緒に傍にいてくれて。天使には目もくれず、子供を助ける為に命を張って…凄いと思ったの。』
『……。』
俺だって、いや、俺もそれくらい出来ます。
貴方を守る為なら、命さえ賭けれます。
なんなんだこの気持ちは。
『だからその人にお礼も兼ねてお菓子を作ってたの。チョコマフィン。喜んでくれるかな。 』
『主様は…その方が好きなのですか?』
『…え?いや、そんなんじゃないよ。ただ…その…。』
『……俺は嫌です。』
止まらない。止まれない。
グイッ!
主様の手を引き寄せる。
『わっ…。』
ポトッ。お菓子の入ったラッピング袋が落ちる。
『俺じゃダメですか?』
『ハウレス…?』
鈍感な貴方は気付いてくれないでしょう。
この気持ちにも。この言葉の意味にも。
あぁ。伝わらないというのは…どこまでも辛いな。それでも俺は――。好きなことを諦めない。
『主様。俺は、貴方のことが――。』
『……!』
私はその口を両手で塞いだ。
『むぐ…っ。』
『――その先は、言わないで。』
『え……?』
主様はただ真っ直ぐ俺を見つめるだけ。
なんで私もこんなことしたのか分からない。
ただ、私の中の本能がその先は聞きたくないと叫んでいる。これは私の意思じゃない。
私以外の何かが――制止しているんだ。
次回
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MAKO
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