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「愛」
ふと、窓の外を見つめる。
朝日が上っているからか、空の色は淡く薄い色をしていた。
雲が揺れ、朝日が霞む。
まるで朝焼けを見ろと促すように。
「綺麗。」
零した言葉を肯定するように、涼しげな風が体を包む。
左目を覆っていた髪が風に流されていく。
露わになった左目で、見上げた空はさらに美しく思えた。
「Nakamu…?早起きだね~…。」
後ろから掛けられた声に、体は大きく反応した。
心臓は高鳴り、頬は紅潮する。
顔周りは急に熱を持ち、両手で覆い隠してしまいたいほど。
少し間を開けて振り返ると、いつもの優しい笑顔があった。
ほっとしながらいつもの挨拶をした。
「おはよう、きんとき。」
愛しい感情を殺して。
今日も友として過ごす。
決して悟られてはいけない。
絶対に。
微笑む貴方は恋を殺す。