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瑠奈(るな)
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第34話「信じるな」
部屋の中は静まり返っていた。
ノートパソコンの画面は真っ暗のまま。
誰もすぐには言葉を出せない。
さっきの映像。
駆人の兄の言葉が頭から離れない。
「信じるな――警察を」
男(駆人の知り合い)がようやく口を開く。
「……警察がスポンサー?」
莉々は腕を組んだまま動かない。
「全部じゃない」
小さく言う。
「多分、一部じゃない?」
No.05が静かに頷く。
「上の人間」
駆人は画面を見つめたまま。
「……兄ちゃんは」
声がかすれる。
「それを知ったから殺されたのか」
誰も答えない。
代わりに机の横に落ちている写真を拾った。
研究所の写真。
子供たち。
その中に駆人の兄も写っている。
No.05が言う。
「あなたの兄は危険だったの、」
駆人が顔を上げる。
「どういう意味?」
「頭が良すぎた」
No.05は写真を机に戻す。
「研究の仕組みを全部理解してた」
莉々が続ける。
「だから証拠を残した、かな」
駆人の拳がゆっくり握られる。
男がパソコンを操作する。
「まだ何かあります!」
画面を見る。
フォルダの中。
動画ファイルの他に、もう一つ。
テキストファイル
名前は短い。
「🗝」
男がクリックする。
画面に文字が出る。
短い文章。
> 「机の裏だけじゃない」
三人が画面を見る。
その下に続きがある。
> 「赤い本」
駆人が眉をひそめる。
「赤い本?」
莉々が机の周りを見る。
床には本が散らばっている。
古い雑誌。
ノート。
教科書。
その中に――
一冊だけ。
赤い表紙の本。
No.05がそれを拾う。
表紙は擦り切れている。
古い医学の本。
No.05がページをめくる。
途中。
ページの間に紙が挟まっていた。
小さな紙。
折りたたまれている。
駆人がそれを受け取る。
ゆっくり開く。
そこには手書きの文字。
兄の字。
駆人はすぐに分かった。
メッセージは短い。
> 「研究はまだ続いている」
その下に住所。
そして一行。
> 「地下施設場所は、東京都 足立区 ○×△□ーー」
男が言う。
「……別の研究所?」
莉々の表情が暗くなる。
「多分」
No.05が静かに言う。
「本体」
駆人が顔を上げる。
「本体?」
No.05は頷く。
「今までの研究所は表向き」
「本当の施設は別」
男が息を呑む。
「じゃあ博士は」
No.05の目が冷たくなる。
「ただの管理者」
部屋の空気が重くなる。
つまり――
黒幕はまだ別にいる。
その時。
外から音がした。
遠くでサイレン。
パトカーの音。
男が窓を見る。
「……警察だ、誰かが呼んだ、?」
駆人の背中に冷たいものが走る。
兄の言葉。
信じるな、警察を。
莉々がすぐ言う。
「ここにいたら危ない」
No.05も頷く。
「誰が来るか分からない」
廊下で足音。
ドアの向こう。
人の声。
「この部屋だ」
駆人の心臓が強く鳴る。
男が小声で言う。
「どうする」
No.05が窓を指さす。
「裏階段」
莉々が駆人を見る。
「行くよ」
ドアの外でノックの音。
ドン。
「警察です」
静かな声。
「ドアを開けてください」
部屋の中。
四人は動かない。
もう一度ノック。
「聞こえてますよね?」
そして低い声。
「開けないなら」
「壊します」
駆人がゆっくり窓を開けた。
冷たい夜の空気が入る。
四人は裏の非常階段へ降りていく。
ドアの向こう。
鍵が壊される音がした。
バン!!
警察が部屋に入る。
しかし。
部屋の中には誰もいない。
机の上。
パソコンだけが光っている。
その画面には――
兄のメッセージが残ったまま
話変かもです、、コメント嬉しいです!いいねも嬉しいです!
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