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「そう言えば、今度の連休には、どこかに行かないか?」
食事の終わりに、そう矢代チーフの方から話しかけられて、連休のお誘いということは、泊まりなのかなと思うと一瞬ドキッとしてしまった。
今までにも恋愛経験がないわけじゃないのに、こんなにも胸が騒ぐだなんて、それだけ彼のことが特別なのかな、私……。
騒ぐ胸をそっと片手で押さえ、「……はい、いいですね」と、笑顔で返した。
「どこか行きたいところとか、あるだろうか?」
「行きたいところ……」と、考え込む。二人一緒でなら、どこでもいい気がしたけれど、どうせなら忙しいチーフが日頃の仕事の疲れを癒せるような場所がいいなと感じた。
「……温泉とか」頭に浮かんだままを呟く。
「温泉か、いいな。じゃあ今度、旅行サイトでも二人で見ながら決めようか」
「はい」と、頷く。旅行サイトを一緒に見て行き先を決めるという、そんな些細なことでも嬉しくてたまらなくて、頬が自然と緩むのを隠せないでいた……。