──平日のランチタイムに、アミとエミの二人を誘ったら、
「チーフと行って来なってば」
と、アミの方からたきつけられた。
「そうそう、ランチデートして来なよー。二人で出にくいようだったら、私たちがチーフのこと誘ってあげるから」
エミの気づかいに、「でも、そんなの……」と、戸惑いを隠せずに口ごもる。
「遠慮しないでいいんだって。美都はだいたい気をつかいすぎなんだし。私たちが応援するからって言ったでしょ? ほら、行くよ?」
アミがそう言うが早いか、矢代チーフのデスクへさっさと歩いて行って、「チーフ」と、さっそく呼びかけた。
「……うん?」と、チーフが見ていた書類から顔を上げる。
一方の私は、急いでくっついて行ったアミとエミの後ろで、一人おろおろと立ちすくんでいた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!