テラーノベル
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シオンの意識がゆっくりと浮上する。最初に感じたのは柔らかな布団の温もりと、かすかに漂うカラスバの匂いだった。
ほんの少し甘いコロンの混じった、あの安心する匂い。
よく見るとカラスバのジャケットで身体が包まれている
『…ん…?』
カタカタ……という静かなキーボードの音が遠くで響いている。
目を薄く開けると、部屋は夜の色に染まっていた。
ベッドの周りには、アチャモ以外に家で留守番をさせていたエムリットやデンリュウ…みんなが寄り添うように眠っていた。
ふと音のする方へ視線を移すと、パソコンの淡い光に照らされたカラスバの横顔があった。少し疲れた眉にクマのできた目。
『(夢…?)』
何度も目を擦るが消えない。
そこにいるのは、紛れもなく本物のカラスバだった。
その瞬間、胸の奥から熱いものが溢れてきた。
嬉しくて涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
『カ、カラスバ、さ……ん……?』
掠れた、か細い声。
カラスバの手がピタリと止まり、すぐに椅子を引いて立ち上がり、早足でシオンの元へ行く
起き上がろうとするシオンの肩を、両手で優しく押さえつける。
「起きたらあかん。まだ寝とき」
『なんで…?お仕事は……?』
「シオンがしんどそうにしとるのに、一人にできるわけないやろ」
カラスバの指先が、シオンの頬を伝う涙をそっと拭う。
『え、えへ……嬉し……夢みたい……』
「大袈裟やな、ほんま」
カラスバは小さく笑って、シオンの髪を撫でる。
指先が耳の後ろを通り、首筋をなぞるように動く。その感触だけで、シオンの心臓が大きく跳ねた。
───現在時刻 01:28
『カラスバさ〜ん、カーラースーバーさーん』
「なんや」
『もう1時ですよ〜……一緒に寝ましょ?』
「あかん。今日中に少しでも進めとかな……」
パソコンに向かう背中に、シオンは拗ねたように唇を尖らせる。
そのまま、カラスバのジャケットを羽織って、ゆっくり立ち上がる。まだ足元は少しふらつくけれど、解熱剤のおかげで熱はだいぶ引いている。
「!!阿呆!寝とき言うたやろ!!」
『いーや!カラスバしゃんと寝る〜!!』
「あかんって!色々とあかんねん!!」
『色々とってなんですかぁ〜?今までずっと一緒に寝てたのにぃ!』
カラスバは慌ててシオンを抱き上げ、ベッドに戻そうとする。
でもシオンは離れず、カラスバの服の裾をぎゅっと握り必死にしがみつく。
そんな2人を見たペンドラーがエムリットを起こし声をかける
〖ギャピピ♪〗
〖きゃう?きゃううん〜〗
「は!? ちょっ!? うわっ!?」
〖ヂャッ!?〗
次の瞬間、念力でカラスバの体をふわりと持ち上げ、ベッドに雑に放り込む。
その衝動でベッドの上で寝ていたアチャモがベッドから転がり落ちる。
「っ、いきなり危ないやろ───」
『カラスバさん!寝る!!』
「ちょっ!?」
抗議の声を上げる間もなく、シオンがカラスバに飛びつくように抱きついた。
熱っぽい体が密着して、カラスバの胸に柔らかな感触が押しつけられる。
「(あかん!あかんあかんあかん!!病人に手ェ出すほど腐っとらんけど、これは……これは話が別やろ!?)」
『へへ……カラスバさん、つめた〜い……気持ちいい……』
「ちょっ!?」
理性と葛藤するカラスバを他所にシオンはシャツのボタンを一つ、二つと外し、露わになった胸板に頬をすり寄せる。
熱い吐息が肌を撫で、ゾクゾクとした感覚が背筋を駆け上がる。
カラスバは慌ててシオンの肩を掴み、引き剥がそうとするが シオンは怒ったように眉を顰める
『なんで…!!』
拗ねたように声を震わせる。
そんなシオンに対し再度強く言葉を放つ
「なんでも何も…お前どうなっても知らんで!」
『いいもん……カラスバさんになら、めちゃくちゃにされても……いいもん……っ』
「…は、」
火照った頬、潤んだ瞳。シオンはカラスバを真っ直ぐに見つめる。
その瞬間、カラスバの中で何かが静かに弾けた。
弱々しく涙を流すシオンを優しく押し倒し、ネクタイを緩める。
「──煽ったんはお前やからな」
『へ……』
その瞬間、シオンの唇を奪うカラスバ。
柔らかく、深く、何度も角度を変えて味わうように。
『ふ……ぁ……ん……っ、』
唇が離れるたび、シオンの甘い吐息が漏れる。
そしてカラスバの唇は首筋へ、鎖骨へ、ゆっくりと降りていく。
赤い花を咲かせるように、キスマークを一つ、また一つと。
『っ、う……も、っと……付けて……?』
「!はっ…ほんま、どうなっても知らんで」
シオンが首の後ろに手を回し、カラスバを引き寄せる。
甘い誘いにカラスバの背筋が震え口角が危険なほどに上がる。
そのまま、健康的な肌に優しく唇を押し当て、服を少しずらして首筋に、そっと歯を立てた。
『ひっ、ぁ……!いッ……っ!』
鋭い痛みと熱い快感が同時に走る。シオンは反射的にカラスバを強く抱きしめた。
ゆっくり口を離すと、首筋には鮮やかな赤い痕とくっきりと残った歯型。
カラスバの瞳が、深い愛情と独占欲で揺れる。
「……オレのもんみたいで、よう似合っとる」
『ほ、んと……?えへへ…』
嬉しそうに笑うシオン。
その笑顔にカラスバはゴク…と喉を鳴らしゆっくりとシオンの服の中に手を滑り込ませ──
───ガタッ!
すぐ近くで物音がし 慌てて振り返ると、ペンドラーが目をキラキラさせて二人を見つめている。
その横でリザードンは〖何も見てません〗というように顔を背け、デンリュウはエムリットの目を覆っている。
極めつけはカラスバ達のすぐ横にいるアチャモ
横になって〖あ、続きどぞ?〗とばかりに頷いている。
「……っ!」
顔が一気に青ざめた。
「(……あかん、こいつらおるの完全に忘れとった!!何しとんねんアホ!!教育に悪いやんけ!!)」
〖ギャピピ〜♪ギャピピ〜♪〗
〖ヂャモ!?ヂャモモ!!ヂャーッ!!〗
ウキウキなペンドラーに対し怒り狂ったようにひのこを撃ちまくるアチャモ
何を話してるか分からないが、良くない方に誤解されているのは分かる。
「すまん、シオン。ちょっと待っとってや、彼奴ら別室に移動させてく───」
カラスバは慌ててシオンの方を見るが目の前の光景に言葉を失った
『……す〜……す〜……』
先程までのシオンはどこへ行ったのか。
目を閉じて穏やかに眠っているシオン。
頬はまだ火照っていて、首筋にはカラスバの痕が赤く残っている。
「……は?嘘やろ?」
カラスバは頭を抱え、ゆっくりベッドから降りる。
布団をかけ直し、フラフラした足取りで椅子に戻った。
パソコンをぼんやり見つめながら、大きく息を吐く。
「(あかん、今思ったら病人になんしとんやオレ……病人に欲情するなんてアホすぎる) 」
「やっぱ、落ち着くまでは近くにおるべきやないな……」
〖ギャピピ!?ギュピーッ!!〗
〖ヂャモーッ!!〗
〖ギャピーッ!?〗
パソコンを前に落ち込むカラスバ
そこから離れた所で布団を少しめくりたまごが無いことに焦るペンドラーを怒り狂ったアチャモが蹴りまくっていた
コメント
4件
シオンちゃんあかんでカラスバが抑えられなくなるから
ポケモン達が面白くて笑っちゃった!シオンちゃん本当に、、メロイし、ずるいし、かわいいし、そんなの惚れます❤️