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2038年警衛局中央監察部外部捜査班は監視カメラ映像や、犯行に使用された銃などから2月吉井総理大臣射殺事件の真犯人として亜細亜連合傘下の組織で既に警衛隊によって制圧されたエルサイアのメンバー己龍魁を指名手配する事にした。
警衛隊は己龍魁と松浦風雅の身柄交換を警察に要求した。警察はそれを承諾した。
それを受け2月22日警衛局中央監察部は己龍魁の捜索及び一時的身柄拘束を理由とし封鎖区域内へ立ち入ることを封鎖区域内の警備全般を担当している警衛局付属西日本方面本部に西日本地域内への立ち入りを要求した。
それを承諾した西日本方面本部により中央監察部は己龍魁の一時的身柄拘束に向かった。 ……………………………………………………………登場人物一覧
蔵島壱成(19)…2代目主人公 警衛局中央監察部外部捜査班所属
中島佑紀弥(19)…警衛局中央監察部外部捜査班所属
新田憲伸(38)…中央監察部外部捜査班所属
工藤哲也(45)…警衛局監察部管理官兼監察部外部捜査班管理官
松浦風雅(19)…警衛隊ULTIMATE第1実動部隊所属 総理大臣射殺事件で逃亡中
「これより己龍魁の身柄拘束を行う。己龍の捜索についてだが東日本地方方面本部監察部、北日本地方方面本部監察部そして封鎖区域内に到着次第、西日本方面本部監察部と合流し封鎖区域内全域を対象に己龍の捜索を行う。以上わかれ」
工藤が言い終えると隊員達は次々とヘリに乗っていった。
「おめぇーら緊張してんのか?手震えるけど」機内で新田が声をかけた。
「少しだけ。」中島が答えると新田は鼻で笑った。
「下を見るな。上を見とけ。いつだって空を眺めてるといい。なんたって空は無限にあるからな」そう言うと新田は窓を開けた。
「気持ちいいくらいに風が吹いてんなー」新田が呟いた。その時工藤が無線で指示を送ってきた。
「まもなく到着する。各自降下準備を行え。」西日本方面本部内に到着すると既に西日本方面本部の監察官達が待っていた。
「お疲れ様です。西日本方面本部監察部です。」西日本方面本部主任監察官の前田は工藤に敬礼した。
「ご苦労」そう言いながら工藤は広範囲に広がっていた避難所に目をやった。封鎖区域内の避難所の1つとして西日本方面本部は指定されている。避難民からの視線を気にしながらも工藤は喋り出した。
「避難民への捜索は行ったのか?己龍はいなかったか?」
「いませんでした。」前田は敬礼したまま答えた。
「見たところ避難民はざっと4桁を超えていそうだが本当か?」工藤は敬礼を続ける前田を睨みつけた。
「も、申し訳…」ぼそぼそと呟く前田を工藤は再度睨みつけた。
「何だ?聞こえねーよ。もっとはきはき喋らんか?」
「も、申し訳ございません。避難民への支援物資などで到底捜索を行える余裕はありませんでした。」前田は声を張り上げながら答えた。
「何やってんだー。指示通り動かんか。」
「申し訳ございません」前田の言葉に工藤は口を鳴らした。
「西本監察(西日本方面本部監察部)そして蔵島、中島は避難民からの捜索そして他の者は基地局(西日本方面本部基地周辺)からの捜索にあたれ。尚奴は変装している物だと頭に入れて捜索にあたれ。よいか」
「はい」
「解散」工藤は指示を出し終えるとそのまま本部長室に向かった。
「工藤、お前ちょい怖すぎじゃないのか?笑避難民怯えてんぞ」片倉が言った。
「指示された事も出来ねー野郎に国防は任せれんだろ。気が緩みすぎなんだよ。ここの奴は」「わりぃな笑。それより出世したなー。もうすぐ首席監察官だろ?」
「まーはい。このままいけばの話ですけど」「何を心配してんだ?」
「何かと命狙われるなーと思いまして笑」
「まー首席監察官は全国の警衛官を敵にまわすこともあるからなー。場合によってはだが」「そろそろ俺行きます。」
「おう。頑張れよ」
工藤は片倉に軽く敬礼するとそのまま本部長室を後にした。その頃避難民への捜索に当たっていた西日本方面本部監察官達はある男に目をつけていた。ホームレスに扮した男だ。避難民を封鎖区域外に出す時、通常身分確認などは行わない。
「あいつ、怪しいな」
「あのホームレスの人ですか?」西本監察官に言われ蔵島はホームレス男に目をやった。
「ちょっと職質かけるか。」そう言うと1人の監察官がホームレス男に近づいた。
「おにぃーさん。西日本方面本部の者なんだけどちょっといい?」
「な、何だ?」
「今はぐれた人を家族からの捜索願いを受けて探してるんだけど顔見せてくれるかな?」
「あ?あ、あー。」そう言うとホームレス男は被っていたフードを外した。それを見て監察官は後ろにいた蔵島達に目をやった。蔵島は頷くとそのまま走りながら無線機を握った。
「己龍魁を発見。第1避難所にて己龍魁を発見。至急応援要請を願う」
無線連絡を入れていた時だった、1発の銃声が鳴り響いた。急いで後ろを見るとそこには横たわる監察官を後ろに逃げる己龍の姿があった。
「己龍が逃走、銃を所持し監察官を射撃し逃走しました」無線連絡を入れながら蔵島は横たわる監察官のもとに駆け寄った。
「俺のことはいい。あいつを追え、」
「は、はい」蔵島は転けそうになりながらも立ち上がるとそのまま己龍を追いかけた。
「蔵島。俺も行く、どこに行った?」
「中島か。そのまま前だ。」
「了解」
「中島、あいつ銃持ってる。気おつけろ」
「わかってるって笑」そう言いながら中島は加速しながら走っていった。しばらく走っていくと守衛事務所が見えてきた。
「あの野郎、基地から逃がすかよ」中島はそのまま急いで守衛事務所に向かった。
「ど、どけ、おい」己龍は立ちはだかる守衛警衛官達に銃を向けながら怒鳴った。
「おい、己龍魁。銃を下ろすのはお前だ。」そう言いながら中島はゆっくりと己龍に近づいた。
「うるせー。殺すぞ」そう言うと己龍は中島に銃口を向けそのまま発砲した。銃弾はそのまま中島の顔をかすった。
「つ、次は本気だぞ?」
「殺せるもんなら殺してみろや」
中島は銃を構える己龍に襲いかかった。そしてそのまま押し倒すと、守衛警衛官から手錠を借りそのまま己龍に手錠をかけた。
「己龍魁、逮捕だ。」
「くそが」
その後、己龍魁の身柄は1日警衛局中央監察部が預かり翌朝、警視庁へと身柄が送られた。それと同時に警察は松浦の身柄を警衛に返した。
そして己龍魁の身柄拘束を行ったとして指揮をとった工藤は総統から直々に首席監察官に任命された。
「工藤さん、首席監察官就任おめでとうございます。」
蔵島、中島、松浦は工藤を労った。
「ありがとな。どうだった?監察の仕事」
「キツかったすけど、何かやりがいはULよりもあったかもって笑」中島が言うと工藤は酒を飲みながら笑みを見せた。
「そうか笑なら良かった。一応お前ら3人に俺から中央監察部への推薦状を書いてみた。もし中央監察部に興味が湧いたら推薦状をもって試験の申し込みをするといい。」
「俺、前から監察の仕事興味あったんで申し込みしてみます。」推薦状を受け取りながら中島が答えた。
「頑張れよ。」
そう言うと工藤は1人ずつ握手を交わした。