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⚠︎︎注意⚠︎︎
・ご本人様方には一切関係がない
・捏造、妄想要素が激しい可能性あり
・特徴を捉えきれていない部分が多々あり
・恋愛要素が今後恐らくきっとほぼない
・868のBOSSたちがロスサントスに入国する以前の物語
※注意事項は今後も増えていくと思います。一旦はこれらをご了承の上、創作物をご堪能ください。
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☆今回は、特殊部隊に所属していた頃の芹沢です。これまでより、かなり捏造・妄想要素が強いのでご注意ください。相も変わらず不定期、投稿したと思ったら長編ですみません;;
それでは今回も、行ってらっしゃいませ!
───オレはあのセンパイが嫌いだっタ。
『○○(番地)にて大規模なテロ事件発生、特殊部隊αは直ちに現場まで急行せよ。』
この国では、警察のみで対応しきれない大事件が発生した場合、特殊部隊を出動させる。武力に特化した強者ばかりが所属し、書類上はオレもそのうちの1人だった。無線での出動命令を受け、特殊部隊専用の大型車両に乗り込む。1番に乗り込んだオレは、車内でアーマーの装着と弾の充填を行っていた。その間、同部隊の奴が乗り込んで来ては、明らかにオレを避けて座っていく。所詮、関心のない奴らがやることなので、オレは気にせず準備を続けた。傍から見たら圧倒的に気まづい空気の車内、それが読めないあいつはオレの隣に座って話しかけてくる。
「おー!相変わらずヤニは準備が早いなー。」
「……。」
「テロ事件だってよ、ホント物騒だよなー。」
「……。」
「さすがに先輩だし、バディになって半年だぞ!?いつになったらお前の声が聞けるんだ…。」
「……。」
「初日の自己紹介と無線報告で聞いてるだろってな!」
「……。」
一匹狼のオレにとって、マシンガンのように話すこいつは、いるはずのない天敵だった。会ったばかりの頃はイライラしていたが、1年以上もすると情すら湧かない。無視をしても構わず話し続けるため、睡眠不足だったオレはついに目を瞑った。
(包帯がきれタ……。)
犯人グループの数十人をダウンさせたものの、かなりダメージを受けてしまった。出血の量からもって数時間くらいと悟り、一気に詰めようと前のめりになる。すると、突然腕を掴まれ体勢を崩してしまった。
「ヤニ、包帯ないならこれ使え。」
「ェ……、ナンデ。」
「バディ組んで半年って言ったろ?あまり先輩をなめんな(笑)」
「ン……。」
少々寒気がしたが、渡された包帯を大人しく巻く。その間、戦場はやけに静かだった。こいつ曰く、反対側に配置した奴らが詰めるまでは待てと指示があったらしい。態勢を整えて待っていると、突如激しい銃撃音が響いた。遮蔽から少し顔を出してみると、犯人グループの何人かが倒れ、ちょうどこちら側に引こうとしているところだった。今だ挟むぞ、というこいつの合図を見て、珍しく気が合うなと思った。そして、銃を構えながら歩を進め、正確に標準を合わせる。
オレは、味方を撃った。
主犯の身柄を拘束したことで、テロ事件は収束へと向かった。警察は忙しなくその後処理をしていたが、特殊部隊内ではオレが拘束される身となり、処遇を考えるのに必死らしい。
「芹沢ヤニが味方を撃った。」
これが今絶賛ホットな話題である。弁明しようとオレが口を開けば、ありもしない事実を並べ遮ってくる。どうしてこうも聞く耳を持たれないのか。いくら一匹狼とはいえ、嘘をついた覚えは一切無い。無関心がかえって嗜虐心を刺激してしまったのか、と考察するもそれ以上考えることはやめた。そして、相変わらず空気の読めないあいつが質問を投げる。
「どうしてヤニが悪いみたいになってんだ?」
「いやいや、あいつは敵じゃなくて味方を撃ったんだぞ。一歩間違えていたら足を大怪我だ。」
「掠めたくらいで何を言ってるんだ?大体、C4を喰らう方がヤバいだろ。」
そう言って豪快に笑うあいつに、皆おまえは何を言っているんだ、と言いたげだった。
(そうだ、忘れてタ……。)
銃の腕前はそこそこにも関わらず、戦いにおける洞察力と立ち回りだけはオレでも勝てない。何かとオレを見通してくるあいつは、C4に近づけない判断と方法まで読んでいた。特殊部隊に所属しているだけあって、ちゃんと化け物なのだ。
『ヤニ、大丈夫か?』
『…ア、ウン。ダイジョウブ。』
『地上最強のヤニでも、睡眠不足には勝てないんだな。』
『チッ、ウルサイナ。』
『…なんか当たり強くないか!?』
現在特殊部隊αは、警察の応援要請を受けて大型犯罪の対応をしている。そして、オレとセンパイは金庫前でクロスを組み、金持ちの犯人を出待ちしているところだ。耳をすませてみると、札束をカバンに詰めている音が聞こえる。
(しばらくは出てこないだろうナ……。)
ふとセンパイの方に目をやると、呑気に栄養バーを頬張っていた。
あれから何時間経ったのか、オレのあくびがそれを物語っている。このまま寝てしまおうか、と冗談を考えていると、数メートル先の遮蔽から物音がした。オレとセンパイはほぼ同タイミングで銃口を向け警戒する。その後、センパイとアイコンタクトをし、オレだけが物音のした場所へ歩を進めた。目的の場所を前に嫌な予感がしたオレは、大きく深呼吸をしてから勢いよくピークする。そこに居たのは、小さなネズミだった。ネズミはこちらを見て首を傾げ、踏みつけるフリをするとどこかへ去ってしまった。先ほどまでの嫌な予感はなんだったのか、オレの強ばった身体から一気に空気が抜ける。元の配置に戻ろうと振り返った瞬間、バイクのエンジン音が鳴る。何かを読んだのか、センパイは咄嗟に叫んだ。
「ヤニッ!避けろッ!」
金持ちの犯人は、金庫内に隠したバイクで逃走しようとしたらしい。ネズミ退治に出ていたオレ目掛けバイクが迫ってくるが、何故か身体が動かない。
(嫌な予感はこれカ…。)
かろうじて動いた瞼を力いっぱい閉じる。そして、鈍い音と同時にオレは地面に叩きつけられた。しかし、その痛みを感じるよりも先に、鈍い音の正体が別にあることを察知する。オレの目は、その光景を捉えて離さなかった。
後頭部を強打したセンパイは、特殊部隊を辞めることになった。高い洞察力から見い出す立ち回りが困難になり、上層部から退職を勧められたらしい。オレの目の前にいるセンパイは、今どんな気持ちで窓の外を見ているのだろうか。散々泣き腫らした顔を隠すように俯く。
(オレのせいで…センパイは。)
その先を考えさせまいと、大きなでかい手が頭に乗る。
「ヤニ、お前のせいじゃないぞ。」
「(まただ。)デモ…!」
「お前を救えて俺は誇らしいんだ。」
「(そうやって。)センパイハ、!」
「ん〜(笑)よし、分かった!そんなに申し訳ないと思ってるなら、俺と約束してくれ。」
「…ッ……ワカッタ。」
「おぉ!えっとな、ヤニが仲良くなりたいって思った奴とつるんで、切磋琢磨……めっちゃ強くなるようお互い頑張って、最強になれ!」
「…ナニソレ。」
「いいだろ。絶対守れよ?」
「芹沢さん、ここフリーで撃ち下ろせるよ。」
「……さん?芹沢でいいよ、レダーさんは先輩だし。」
「あー確かに、芹沢ね。」
「そう、芹沢。レダー?」
「うん、レダーでいいよ。」
レダーとは、よくバディを組むようになった。ハイグラを取って確実に敵を減らせるし、なにより俯瞰して濃密な作戦が練れる。その最適解を見出したオレは、警察の勝率を一気に上げ多くのギャングに名を馳せた。それはもちろん、バディを組んだレダーも同じである。しかしそのせいか、大型犯罪の対応に行く度ロケランを撃たれ、ファーストダウンすることが増えた。これもまた、バディを組んだレダーも同じである。ちなみに、呼び方云々のやり取り直後、オレたち2人はロケランに撃たれ墜落していた。
「またロケランかヨー!!(怒)」
「うわ〜やっぱりIGLしながらはキツイな。」
「でも、またIGLのレベル上がったんじゃナイ?」
「いや、マジで芹沢のおかげやね。昨日の立ち回りとか結構参考に……。」
血だまりに寝転びながら、レダーはオレを褒め始める。何故か止めても無駄そうなので、つい目を瞑った。
オレ、約束は守るよ。