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「あ、桜だ!ちょっと見ていこ!」「仕事中だぞ」
「少しだけだからいーでしょ」
メロンパン号を走らせていた時だった。
窓の外から桜の並木が見えたので見に行こうと伊吹がうるさいので、
渋々近くに止め、桜の並木の中を歩く。
「もう葉っぱになってるのが多いんだね」
「まだ4月なのにな」
「なんでだろ?」
「今年は暖かいからな」
「今年の夏も暑いかなぁ…」
伊吹は楽しそうに桜の下を走り抜けていく。
あまり遠くにいかないよう、注意をしようと名前を呼ぶ。
「伊吹」
「ん〜?」
伊吹は笑顔でこちらを見る。
ふと思った。
…この時間は。俺が「伊吹」と名を呼べるのは。伊吹が笑顔で応じてくれるのは。
いつまでなのだろう?
第四機捜がなくなれば、「相棒」である俺たちは、離れ離れになるだろう。
ただの「相棒」にすぎないのだから。
じゃあいつまで?……分からない。
「志摩?」
「…頭に花びらついてるぞ」
なぜか無性に泣きたくなってきたのを取り繕うように、そう言った。
伊吹は頭についた花びらを見ると、
思いついたように上を見上げた。空に舞う花びらを取ろうとしているようだ。
「何してるんだ?」
「ん?あ〜志摩ちゃんさ、知ってる?」
「?」
「桜の花びらを五枚集めたら願いが叶うって、おまじない」
「へぇ」
へぇ、そういうのがあるのか。
伊吹は流石の運動神経であっという間に五枚集め、それを手で優しく包む。
数秒したあと、
伊吹は満足そうに、その花びらを風に任せる。
その花びらは風に身を任せながら舞って行った。
「何を願ったんだ?」
「ずっと、ずっとずーっと志摩と一緒にいられますように!」
「…!」
「志摩。そろそろ行こ!」
「…ああ」
志摩はククッと笑い、先を歩く伊吹に近づく。
「願い事それでいいのか?」
「え?」
「簡単に叶うだろ」
「……!志摩ちゃーん!」
肩を並べて歩く2人の背後には花びらが舞っている。