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騒がしい声を遮ったのは綺麗な黒髪の女の子。パッとみた印象は少し暗め。育ちが良さそうな雰囲気だった。


「招待状を貰う子は、最初から目をつけられている子だよ。ただの奴隷じゃない。オークションで落札された後にさらに売り飛ばされて、大変な目に遭うって聞いたことがある。」


「大変な目…?」

「な、なんでお前そんなこと知ってんだよ。」


「私のお姉ちゃんがそうだったから……それに、私もそうだから。」


彼女がポケットから出した紙は私がもらった紙によく似ていた。それじゃあこの子も私と同じ目をつけられた子ってこと……?


「君たちはさっき散々なことを言っていたけど、君たちの方がまだ分かりやすくて助かる奴隷だよ。ただ働かされるだけで済む。」


「………。」


その言葉に誰も何も発さなくなった。私も何も言えなくなった。彼女の言葉に恐怖を感じた。働かされるだけでない、売り飛ばされる奴隷。どんなことをさせられるのか、想像しても分からないのに、鳥肌がおさまらない。


さっきまで悪口を言っていた子たちは大人しくなり、私たちを見る目つきが変わった。きっと可哀そうだと思っているんだ。


彼らの横を通り過ぎ彼女の隣に座る。一瞬驚いたような顔をしていた。



「ねえ、どうしてあなたはそんなに落ち着いてるの…?あなたも招待状もらっていて、招待状の意味も知っているのに……。」

「私は……お姉ちゃんを探すために参加したの。招待状が来たってことは、買い手がもう粗方決まっているってこと。それなら落札されないって言う心配はない。」


「怖く…ないの…?」


「怖さなんてもう感じないよ。お姉ちゃんが帰ってこないことが分かった時の方がもっと怖かった。親は子供をお金に換えて、その子供は何のために生きるか。ただ恐怖を感じるだけよりそう考える方が生きていられる。」


「あなた、名前は?私は長月命。」

「私は里香。弥生里香(やよいりか)。」


これから私たちが向かう場所。そこが本当の始まりになる。

人間オークション~100億の絆~

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