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【注意】人間が復習されます
第一章
深夜の公園。街灯の届かないゴミ捨て場の裏で、その「儀式」は行われていた。
「むきゅ……集まりなさい。賢くて、お行儀のいい子たち」
闇の中から響くのは、鈴を転がすような、けれど温度を一切感じさせない声。
声の主はシルバーのバッジをつけたパチュリー。右側の髪は無残に焼け、足を引きずっているが、その瞳には野良たちが逆立ちしても届かない「知性」が宿っていた。
「ゆわあ……おねえさん、きれいだね!」 「あまあまだ! あまあまのにおいがするよ!」
野良のれいむやまりさたちが、シルバーの足元にばらまかれた高品質フードに群がる。シルバーはそれを慈しむような、虚ろな微笑で見下ろしていた。
「ええ、そうよ。ここは寒くて、汚い場所。でも、わたくしの『おうち』は違います。ふかふかの寝床と、あふれるほどのあまあま……。むきゅ、順番に案内してあげますわ。……ただし、わたくしの言うことを聞ける『いい子』から」
その言葉は、どん底を生きる野良たちにとって、神の福音に等しかった。
施設――そこは、お兄さんの「副業」の拠点。
運び込まれた野良たちは、清潔だが無機質なコンクリートの上で、期待に胸を膨らませていた。
「ゆっふふ! れいむはいいこだから、とくべつなお部屋なんだね!」
シルバーは一匹ずつ、その「価値」を測定していく。 毛並み、声の張り、寄生虫の有無。彼女の視線は、もはや同族を見るものではなく、ベルトコンベアを流れる部品を検品するセンサーそのものだった。
「あなたは右の緑の扉へ。あなたは奥の赤い扉へ。……むきゅ、迷う必要はありません。それがあなたの『適正』なのですから」
緑の扉の先では、UVレジンで作られた「オーロラバッジ」が、ゆっくりたちの頭に接着されていく。 粗悪な樹脂が放つ甘い薬品臭が漂う中、シルバーは淡々と指示を出す。
金バッチ、銀バッチの偽造は足がつきやすく、犯罪にも問われる。
状態の良い野良の子供を特別なバッチのゆっくりという触れ込みで販売すると“詳しくない買い手”によってそれなりの数が売れる。
UVレジン製のオーロラのバッチ。嘘をついているわけではない。本当にオーロラ色のバッジだ。買うと決めたのは客だ
「あなたは……そうね。毛並みも悪くないし、お顔立ちも整っているわ」
そこへ、スマートフォンの画面を叩きながらお兄さんが現れる。
「シルバー、今日の『在庫』はどうだ。メル〇リの評価に響くようなガキは混ぜるなよ」
「むきゅ……。歩留まりは二割。残りの『不良品』は、予定通り明朝の回収車で加工所へ送ります」
「効率がいいな。お前を迎え入れたのは正解だった。本当に優秀だ」
足元のケージでは、何も知らないれいむ達が「しあわせー!」と叫んでいた