この作品はいかがでしたか?
526
この作品はいかがでしたか?
526
〜純愛,愛の悲しみ〜
____
________
____
《伏見さん。一週間が経過しました》
《わかっているかと思いますが》
《貴方はもう長くは持たないでしょう。》
『….はい。』
《私共でも、もう治療をすることは不可能です。》
《後はここで一生を終えるか、家で終えるか考えておいてください。》
やっぱり..もうダメか..なら、とやさんのためにも…一生をとやさんと…過ごしたいな…
『あ…あの…』
《どうされましたか?》
『俺、家で終えます。』
《そうですか。では明日にでも退院致しますか?》
『はい』
とやさん、ごめんな。
俺やっぱりとやさんには話せない。
ごめんな。結婚..できなくて
刀也さん….
___
______
___
「がっくん久しぶりにやっと二人の家だね!」
『そうっすね!!!』
嬉しい。やっと…二人きりだ。
いつ…結婚式あげよう。
たくさんがっくんとしたいことあるな〜!
『とやさん。』
「ん?」
『俺無花果畑行きたいっす。』
「うん。行こ。」
なんだか今日のがっくん積極的..
どうしてだろうなぜか不安だ
まるで今日死んでしまうかのような
「がっくん。」
『どうしたんすか?』
「…ううん。何でもない!」
『wwなんなんっすかw』
「えへへw」
『あの、とやさん。』
「何?」
『この景色….忘れないでくださいね。』
真面目な顔をしたがっくんに僕は息を呑んだ。
「うん。忘れない。」
家に帰りがっくんに結婚式の話をしようと思った。
そして、がっくんの方へ顔を向けた瞬間…
視界からがっくんが消えた。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
だがすぐに気づいた。
すぐさま視線をその方向へ向けると….がっくんが床に倒れていた。
息を荒くし血を吐いていた。
「がっくん!!!!!」
急いで駆け寄り、近くにあったソファーに仰向けに寝転がらせた。
信じられない。どうしてなんだ。
どうして…
僕が視線を向けた先には一輪の花が咲いていた。更にがっくんの心臓に。
思考が停止した。
だががっくんの僕を呼ぶ声に気付きすぐさま駆け寄った。
「がっくん!!!!救急車…呼ぶから!」
『….いい…』
「へ…?」
『だいッ…じょうぶ…だからッ….』
「…..どうしてッ?………」
目から沢山の涙が溢れ出す。
「どうして…だって…治ったって……」
花が完全に開こうとしている。
『すみッ..ません..ゲホッ…とやさッ…ゲホッゲホッ…』
『おれッ..医者にもう…もたなッ..いって..言われてて…』
『でもッ..とやさんッ…ゲホッ…かなしませッたッゲホッ…ッくな…くてッ..』
言葉が出ない…
声が震える..
いいから…って言いたいのに..
視界もよく見えない..
がっくんの顔…みたいのに…
『とやッさんッ….大好きッ..ゲホッ…..』
あぁッ僕も大好きだよ…
伝えたい
伝えたい
今だけでいいから..
どうか..今だけ..
神様…
「僕も…大好き…」
そう言ってがっくんにキスを一つ落とした____
___安らかに眠った彼はとても満足そうだった。
心臓に咲いた花..名前…わからないな…
がっくんなら…わかるのかな。
….今度探してみようかな….
___がっくん..いつになっても忘れないよ。
ずっと…ずっと…一生貴方だけを愛すよ。
愛してる________
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!