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14 - 第14話太陽が二つ

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2022年08月31日

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今日は久しぶりに外に出られた。俺の他にも何人かの人がいたが、みんな何が起こったのか分からないという顔をしていた。俺は自分がおかしくなったと思った。あんなところに行った覚えはない。俺は知らない間に何か悪いものに触れてしまったのだろうか? だがそんなことよりも、これからどうすればいいかを考えるべきだ。まず、俺は自分の置かれた状況をどうにか理解する必要がある。周りにいる人たちはみんな年上だ。高校生ぐらいの子もいる。彼らについて行ってもいいかもしれない。ただ、俺が一緒にいるのはまずいんじゃないだろうか……? 少し離れたところでは女性が二人、話をしている。一人の女性は何やら泣きじゃくっているように見える。もうひとりの女性が彼女を宥めているようだ。一体どんなことが起こればこんなことになるんだろう? さっきまでいた場所は真っ暗だったけど、ここは明るいし、眩しい。太陽が二つあるみたいに見える。でもここはどこなんだろう? 日本なのか? 海外とかいうオチだけは勘弁してほしいんだけど。

「あー、もしもし」


誰かの声が聞こえた。声の主を探してみるが、近くには誰もいない。気のせいかな?

「あのぉ、もしー?」

また声が聞こえる。やっぱり空耳なんかじゃない。どこから話しかけられているんだろうか? 周囲を見回しても誰もいないし……。まさか、自分の内側とかじゃあないよね? そんなことを考えていると、不意に視界に文字が表示された。そこにはこう書かれていた。

<メッセージを受け取りました> 〈このメッセージを再生していますか?〉

「はい」

僕は即座に答えた。

「再生しました!」

僕の声が届いたのか、<メッセージ再生を停止します>という文字列が再び表示された。どうすればいいんだっけ。確か、ここでもう一度「はい」を選択して――。

「あっ」

そこで気づいた。そうだ、選択肢があるじゃないか! なんでこんなことに気がつかなかったんだろう。今すぐ実行しないと……! すぐにでもやらないといけない! はやくここから出ないと!! 早く出なきゃいけない理由なんてないはずなのにどうしてだか無性に出なければいけない気がしてきたのだ。それにもうずっとここにいるわけにもいかないという焦燥感もあった。きっとここは僕にとって良くない場所なんだ。だから早く出ないと。でないと僕はどうなってしまうのかわからない。急がないと取り返しのつかないことになるような気がしてならないのだ

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