テラーノベル
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「晴れてよかったです…気温も丁度良いですし」
「ね〜‼︎」
「ですねぇ」
レイ達は今、人工妖の事件の解決のため、街外れの路地裏に来ている。
この時期はまだまだ涼しい方だから、ここまで徒歩でも良かっただろうか。
やはり日々の運動不足を日頃から感じていると、そこまで気にするものではないと思ってしまう時もあるが故に優先する事がどうしてもできないのだ。
でも、これは今後かなり重大なものになる可能性が高いため、体力がある今のうちにそれと向き合っていかないとならない。
まぁ、普通の感覚で言ったら僕はもう伝説位にはなっているであろうか。
それは秘密にしないといけないがな。
おや、もう着いたのか。
もう少し遠いかと思っていたが、案外時間はそこまで掛からなかった。
さて、その暗いところに行くと、人影が見えてきた。
「む、誰だ!」
「あ〜…めんどくさいなぁ。
早くご主人様に会いたい…(泣)」
そいつは1人でなにかぶつぶつ言っているが、嬭は問答無用で斬りつけた。
どうやら嬭は人間ではないと判断した様だ。
「はぁ、ご主人様には会えないし、あんちゃんも今は居ないし。……最悪な気分だ。」
そう言うと、そいつは爪のようなものと、骨の尻尾?のようなもので襲いかかってきた。
「チッ…隊長!こいつは殺しますかッ⁉︎」
「ふむ、一応生かしておいてくれ。」
「畏まりましたッッ‼︎」
そう言うと、嬭は攻撃を開始した。
「ねぇねぇ?僕もやってきていいィ?」
「今はやめておこうか。君が入ってしまったら此処は大惨事になってしまうだろう。それに、君には後で活躍してもらわないとね。」
「…?かつやく?僕は何をすればいいのぉ?」
「ふふ、まだ秘密ですよ。」
「ふぅん…てか、あの子、すごいねぇ!
嬭くんと同等位だよッ!」
「ええ…」
(あいつが言っていた“あんちゃん”とは誰だ?他に仲間が居るのか?あぁもう。考える事が多いなぁ。)
レイは血が出そうなくらい、拳を握りしめた。
「隊長、拘束が完了致しました。」
「ありがとう。」
「はぁ、まじ面倒くせえ……“あんちゃん”」
「ッッ⁉︎」
その男が“あんちゃん”と言った途端に、三人は途轍もない嫌悪感に襲われた。
「はぁ~…折角人が煙草吸ってるときによぉ。
やめろゆうてんやんその癖ぇ。」
「ごめんって。でも、今は状況を見て分からない?」
そいつは、煙草を吸っていながら、尚且つ血の様なものを浴びた様子だ。
「其の儘どっかに捨てられて長垂死ねばいいんに。」
「ひっどぉ‼︎お前はご主人様に見捨てられて孤独のまんま自殺すりゃあいいのに!」
「それの方がひどくね…?」
「…はッ!おい!貴様らはなんなんだ!」
「……」
「はぁ、人間はどいつもこいつも五月蝿いやつしかいないんか?おめえら見てえなやつはアドラー心理学でも學んどけ。」
「はぁッ…?話が通じないのは貴様らの方だろう。」
嬭は未だに混乱しているが、櫆は興味深そうにキラキラと目を輝かせている。
「ねぇねぇッ!!君の体解剖させて‼︎‼︎」
「…何ゆうてんの…?(困惑)」
「あぁ、すまんこいつはこう言う奴で。」
「あ〜…ね。」
「で、こいつはなんなんだ?」
「ん〜…何かって言われたら分からんけど、強いて言うなら人工的な妖か…?まぁ、俺も実質そうなんだがな。あ、でもこの角とか耳はにせもんじゃないで。」
そう、この男達のはかざりだと思っていたが、角や猫?の耳が生えていたのだ。
「ッ!?」
レイは珍しく顔を崩した。
「ん?どうかしたんにいちゃん。」
「ちなみに俺のこれは狼の耳だかんな!
勘違いすんなよ!したら殺す!」
「ッいえ、今回の依頼人がまさかあなた達とは…」
「依頼…?あ〜……あの趣味の悪い主人の…」
「何か言ったか?」
「いいや。」
「我々はこう言う者です。」
そう言って、レイは自分の身分証明書を差し出した。
(あ〜…久しぶりにこう言うの見たわ。
日本でいう名刺か。)
「そんな堅苦しくなくていいで。
こっちは依頼させてもらってる方なのに身分証明書もなくてすまんなぁ。」
「いえ、今は緊急の状況下でしたので。」
(こいつめちゃ日本人っぽいやん…)
「出身はどこや?」
「あ〜…えっとぉ…」
「言いたくないんなら言わないでええよ。
てか、敬語嫌やからタメにしてや。」
「わかり…分かった。」
「んで、依頼の詳細をまとめにきたんよね?」
「…ッ?あ、あゝ。」
(なんでそんな瞬時にわかったんだ…?
でもまぁ、頭のキレる奴はそんくらい判るか…)
「メモ用紙にめもっといたから。」
「…⁉︎かなり用意周到なんだな。」
「ん〜まァなんとなく、かな」
「おいお前ッ!アンちゃんの頭のキレを舐めんなよッ!こいつは世界でいち((((げんこつ
っ〜〜ってえわ!なんでお前はいちいちなぐるかな⁉︎」
「黙れや黝(ゆう)(怒)」
「あ、こいつの名前、黝って言うのか?」
「あれ、教えてもらえんかったんか…そうやで。
こいつが黝で、俺が暗鬱。まぁ好きによんでくれて構わんよ。」
(かなり珍しい名前だなぁ。黝は一般的だけど、暗鬱が名前…?聞いたことはないな。)
その時、櫆が声を上げた。
「ん〜じゃあ、“あんくん”で‼︎‼︎」
「まぁ呼ばれ慣れとる渾名やな。」
「え〜っ!僕が初めてかとおもったのにぃ〜!」
むう、と頬を膨らます櫆は、まるで小さい子供の様。
だが、実際にはもうとっくに二十歳は超えている。
成人男性が頬を膨らますのは、まさに地獄絵図だが、何故かそれを櫆がやると幼く見える。
「まぁ、そんな気落ちせんでいいと思うで。」
「そっかぁ…」
「んで、お主らの名前も教えてくれん?」
「…俺は嬭です。」
「僕は櫆だよ〜ッ!」
「レイだ。」
「記憶しておく。」
「ありがとう。」
「で、依頼の詳細はそっちでつくってきてくれてるん?」
「まぁ一応…」
そういって、レイは依頼の詳細が書いてある資料を渡した。
ペラペラと暗鬱が捲っていると、一つ気掛かりな事があった。
「なぁ、これどう言う事?」
そう指を刺したところは“探し人の受け渡し”。
「流石に無理やで。こちとら大事なんやから探しとんやん。」
そういうと、暗鬱から一気に圧が噴き出してきた。
「ッ!?すまんッ!なんでだ⁉︎」
「えッあんちゃんにはこんなん無理すぎやろ⁉︎」
「やっぱあんたらに頼むんやなかった(混乱してんのおもろ〜笑)。」
「ッ‼︎やはりお前らは危険だ‼︎隊長!今すぐこいつを殺害する許可をッッ‼︎」
「だめだ!こいつらには情報の提供をしてもらう必要がある‼︎」
「あんくん…?」
櫆は何故か怯えている様だ。
戦場は慣れているはずなのに。
「?どうしたんですか櫆。」
「〜ッ(泣)殺さないで‼︎」
「はぁッ⁉︎どうしたんだよ櫆‼︎
幻術でも使われたのか⁉︎」
「つかわれてない!つかわれてないからッ!
どうかころさないで‼︎」
その言葉を放つ櫆は、まるで好きな人と離れたくない子供のようだ、
辿々しい言葉で“ころさないで、ころさないで”と言っている。
「!(にや)おい櫆、お前は俺とお前の兄を重ねたんだな」
「なんで…?なんでわかるの?」
「ん〜…なんとなく?」
「あんちゃん〜‼︎喋ってばっかじゃなくてもっとこっちに集中してよ〜‼︎結構押されてんだよ⁉︎」
「ちょっと位いけんだろ?」
「俺は非戦闘員だよ〜!!ま、こんな相手よゆ〜だけどね笑」
そう言いながらも、本当に余裕があるように振る舞っている。
だがしかし、これほど強いとは思っていなかったので、見た目ほど余裕ではない。
「はぁぁあ⁉︎今何と⁉︎絶対にこいつだけは‼︎‼︎」
「笑えるわ〜。」
「「わらうな!!」」
黝と嬭の言葉がつい重なってしまった。
(いやぁ、まさかこれ程とは。)
そうレイは思った。
それだけ探している人は大切なのか。
そう思っていると、急に暗鬱がこちらを向いてこう言った。
「そりゃ当たり前やん笑」
(?なぜこちらの思っている事がわかるのか?
これは櫆も解剖したい訳だ。人間ではないのは本当のようだ。)
どうやらレイは、頭の中が読めると認識した。
それをも感じ取った暗鬱は、密かににやりと笑みをつくった。
コメント
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第6話、読み終わりました!暗鬱のあの「当たり前やん笑」で心臓が跳ねましたね…。レイの思考を読んでるようなタイミング、やっぱり只者じゃない。あと、櫆が「♡♡♡ないで」と怯えた瞬間、普段の無邪気さとのギャップで胸がぎゅっとなりました。彼の過去に何があったんだろう…暗鬱と黝の関係性も気になるし、続きが早く読みたいです!