──────いえもん視点──────
「…?傲慢の龍…?」
俺は頭に疑問符をいっぱいに浮かぶ。別に龍ってことは知っていた。今更な自己紹介のような気もした。しかし、俺以外のほとんどの村民達が顔色が様々なものへと変わる。
「ッ!?」「…まあ、でしょうね。」「は…ッ!?ほんとに…?」「…。」
様々な反応を八幡さんはじっくりと眺め、ニヤニヤとした表情をうかべる。…楽しんでいるのだろうということは察せられた。
そもそもとして傲慢だからなんだと言うのだろうか、という疑問が浮かぶ。別に少し欲が強くても…なんて軽く思ってしまうのが良くないのかもしれない。
「…と、言っても。私は神のルールから縛られないけどみんなはそういう訳にはいかないでしょ?だから今回は私は自己紹介で終了させてもらいますわ〜」
と言って、八幡さんは足を組みなおし、ちらりとめめさんに視線を向ける。…めめさんは了承したのか、はたまた会話のパスだったのか。それは分からないがこくりと頷き話を続ける。
「…最初に言います。茶子さんと菓子さんの両方の生存は不可能です。それに、茶子さんには円満に成仏してもらいます。」
めめさんがサクッと今回の目当てをまとめる。この方針がぶれることは無いだろう。なんてったってめめさん直々の言葉なのだから。
「…茶子は、助けられないの、…?」
菓子さんがそう、ポツリと呟く。その姿はいつもの姿とは正反対で、哀愁を漂わせている。しかし、めめさんはバッサリと言い捨て、追い打ちをかける。
「無理です。死人を生き返らせるなんて普通は行っては行けません。それに、短時間でなく、永久的に、というのなら尚更。…戦争中でなければ大丈夫だったんですが…。死んだら魂は消滅しますので。諦めてください。不可能です。」
めめさんはそう、言い切る。菓子さんはそう、と一言いって黙り込む。めめさんはそれを了承として受け取り、話を進める。
「では、方法をお伝えします。」
そう言って、めめさんは俺たちに向き直る。
「私が魂の中への入口を作り出します。そして、代表1名が行き、茶子さんの未練を断ち切ってください。帰りはこちらでエスコートしますのでご安心を。」
あ、とめめさんは付け足す。
「菓子さんは代表として行けません。なぜなら、菓子さんと茶子さんがあった場合、魂が重なってしまい、一生消えない『呪い』になってしまいますので。詳しくは省きますね。」
淡々とめめさんが説明している間、菓子さんは魂が抜けたかのようにぼーっと聞いているだけだった。菓子さん以外も集中力が散ってしまっているように見えた。
「そして、代表に適任なのは…いえもんさん、あなたです。」
「!?」
心臓が口から飛び出るかと思うほど俺は驚く。正直俺が代表をするなんて思わなかったからだ。…しかし。
「めめさんのご命令とあらば。行ってきますよ。」
俺は、めめさんの指示に従う。ど素人のおれがとやかく言うよりも、その道の専門のめめさんが指定したのだ。なにか理由があるはず。聞く必要もなかった。
めめさんは微笑みをみせ、そして、言葉で任命を表す。
「それでは、代表者いえもんさんで、よろしいですか?」
みんなが、バラバラに頷く。そして、正式に決まった。
「それでは、代表者いえもんさん。お願いします。」
「かしこまりました。村長。」
そのあとの動きは早かった。ぜんさんが菓子さんを眠らせ、八幡さんが俺に耳飾りを渡す。俺の帰路を現してくれるらしい。
めめさんは菓子さんに向かって両手で何かを開けるかのようなジェスチャーをすると共にまるでブラックホールの色彩反転をしたかのような白色の光の渦巻きが現れる。
「では、行ってらっしゃい。いえもんさん。」「無事に帰ってこいよ!」「行ってらっしゃい!」「道に迷うなよw!」
様々な声援を後目に俺は軽く手を振る。そして、呟くようにでも、少し力を込めて。
「行ってきます。」
そう残して、俺は渦の中へと侵入する。
眩い光に包まれ、反射的に目を瞑る。その光が徐々に収まるのをまぶた越しに感じる。そっと目を開ければ、そこは美しい桃源郷だった。
晴天がどこまで続き、吸い込まれそうになるほど青い空。暖かな太陽から全てのものを包み込むような包容力を感じる。地には青々と生い茂る草が俺の足元を隠す。所々鮮やかな花々が咲き乱れている。ガーベラ、ハーデンベルギア、朝顔、アガレア、カランコエ、白いヒナゲシなど…様々な花が、青々とした草を明るくするように咲いている。
この世界の中心と言わんばかりに、少し高い丘の上に大きな大きな木が一つだけ存在感を放っていた。そのまわりにだけ、鮮やかな花ではなく、紫がかった黒色のチューリップがいくつか咲いていた。そして、そこにはうっすらと人影が見えた。俺の直感がそれが茶子さんだと知らせる。
俺は走った。すぐにでも行かないといけない気がして。何故か心に焦りが出て、意味もわからず駆ける。
──────███で。██シ██れテ。
不協和音のような、ノイズが混じった声が聞こえる。大半が何を言っているか分からないが、それでも足を止める理由にはならなかった。
走った。走った。走った。がむしゃらに走った。体力なんて気にすることすら出来なかった。
「──────ッッ!!!茶子さんッッ!!!」
やっと、やっと丘の上にたどり着いて、ただ、その人の生存を確認したくて、普段出さないような大声が喉を通る。ダメだ。ダメだダメだダメだッッ!!!
俺は、茶子さんを見つける。
──────首を吊って、心臓を植物に貫かれてもなお、涙を流して生き長らえている茶子さんを。
「裏切り裏切り裏切り者〜♪」
「妖精裏切る種族長〜♪」
「殺し足りない裏切り者〜♪」
「簡単には殺しやしないっ♪」
「火っ炙りっ♪」「水責めっ♪」「魔力切れっ♪」
「それでも償えないっ♪」「罪は重いっ!♪」
そう言って、茶子さんの周りを3匹程の妖精がくるくると回りながら歌を歌う。茶子さんは抵抗せず、ただ、じっと耐えていた。俺にすら気づいていないようで。
内蔵が逝ってしまったのか口からは血を吐き、腹部からも血がダラダラとたれ続け、足は宙に浮いている。こんなにも美しい世界とは正反対の世界がそこに繰り広げられていた。
SANチェック→失敗
1D20→17
アイデア→成功
1d10→6
いえもんは会話や文章で人との会話が難しくなる。
「うわぁ”ぁ”あ”ぁ”ぁ”!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ □□□●○●▲●▲▲△□●△◆▼◆□ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙○●▲△ア゙ア゙◆◇●◆○ア゙」
雖後□雖後□雖後□雖後□雖後□雖後□雖後□雖後□雖後□雖後□縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゑセ槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?槭≠?
ここで切ります!少しだけクトゥルフ要素を入れてみました!ちなみに実際にSANチェックとかしてもらってます!いやぁ…こうなるとは…。あ、皆さんならないと思いますが鬱にはご注意を。いえもんさんの発狂…珍しいですね!書いていて楽しいと思っちゃいました!茶子菓子のいざこざが消えたら遺書開封…。ぜんさん、自分の遺書見たらどうなるんでしょうねw
それでは!おつはる!
コメント
5件
急なクトゥルフにびっくり
自分の遺書が目の前で読まれたらちょっとびっくりするなw