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合体の副作用で苦しんでいるマナミとシオリ。俺はコユリ(本物の天使)が言っていた方法で二人を助けようとしている。
「二人とも俺の血を吸え。そうすれば多分苦しくなくなるから」
「い、いいんですか?」
「ナオ兄、いいの?」
「ああ、もちろんだ。さぁ、早く」
「は、はい、分かりました」
「オッケー」
俺がゴロンと横になると二人はガブリ!と俺の首筋を噛んだ。
「ふ、二人とも! あんまりがっつくな!」
「おいしい……おいしい」
「ダメ……止まらない」
はっ! そういえば注意事項その三は『食欲が増すかもしれない』だった! というか、なんか二人とも目赤くなってないか?
「ふ、二人とも! 少しだけ休ませてくれ。このままだと失血死しちゃうから!」
「……嫌です」
「……無理」
く、くそ! いったいどうすればいいんだ!!
俺が意識を失いかけた時、ようやく二人が正気に戻った。
「ごちそうさまでしたー。とってもおいしかったですー」
「ナオ兄、ごちそうさま。あれ? ナオ兄、大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫だ」
合体はかなり強いけど副作用が厄介だな。よっぽどのことがない限り使わせないようにしよう。
「マナミ、シオリ」
「何ですか?」
「なあに?」
「副作用が厄介だから、なるべく合体しないでくれ」
「えー!」
「そ、そんなー」
「副作用がなくならない限り、俺が毎回死にかけることになるんだぞ? それでもいいのか?」
「ナオトさんの血、また吸いたいですー」
「ナオ兄の血、また吸いたーい」
「ダメだ」
「うう……」
「……ケチ」
「なんとでも言え。さてと、少し外の空気を吸いに行くか」
俺が立とうとすると目眩《めまい》に襲われた。
あー、やっぱりダメだ。血を吸われすぎ……た。
「ナオトさん!」
「ナオ兄!」
マナミ(茶髪ショートの獣人《ネコ》)、そんな心配そうな顔をするな。
シオリ(白髪ロングの獣人《ネコ》)、そんなに動揺するな。少し休めばきっと良くなるから。
あー、ダメだ。意識が……遠の、く……。