※この話から一時的に先生の視点になります。
※ここからは先生を麗香と表示します。
※今回ちょっと長めです。
麗香「お母さん!!動物園楽しみだね!」
母「そうね…麗香。ずっと行きたがってたものね…」
・・・その時のお母さんはいつもの笑顔なんて浮かべていなかった。いや、むしろ人生のどん底にいるような顔だった。お母さんは身体を売る仕事をしていたから私を売ったのだろう。
麗香「お母さんこっちは裏だよ?人もいないし入り口はあっちじゃ…」
???「お嬢ちゃん風船いるかい?」
そこには動物のかわいい風船を持ったお姉さんが立っていた。
私もその時はまだ小っさい子供だ。動物の風船なんて欲しくてたまらないもの。風船がすごくキラキラして見えたもんで入り口なんてすぐ忘れた。
・・・あの風船を受け取ってなけりゃ私は『普通の女の子』になれてたのかも。
麗香「お姉さん!猫ちゃんの風船ください!!」
お姉さん「はいよ。」
お姉さんは私に風船を渡した瞬間。
ものすごい力で私の腕を掴んできた。
麗香「お姉さん…腕痛い…離して…ねぇ…」
私がどんたけ離せと言ってもお姉さんは喋らなかったし、私の腕を離そうとするわけなかった。
麗香「お母さん!お母さん!!帰りたいよ!!別のとこがいいよ!!!」
母「ごめんねっ…麗香ぁっ…」
お母さんに助けを求める私。その私の腕をつかんで離さないお姉さん。泣き叫ぶ私をみて泣きながら謝りつつ私の名前を呼ぶ母…あの時の状況と言えば「地獄絵図」 だね。今でも腐るほど覚えているよ。その後からはもう奴隷のよう 。 トラ、ライオン、ゾウの危ない動物のお世話。風邪になっても病気になっても毎日毎日、来る日も来る日も危ない動物のお世話。ミスを犯したらムチ打ちにされる。
・・・ある日事件が起きた。私たちが世話してきた、危ない動物たちのほとんどが、園長、などの世話をしてこなかったやつは皆殺しにされた。でも悲しくなかった。私たちをいじめてきた奴らが苦しみながら死んだのだから。そして私たちは解放された。だから私たちは動物園を後にし、自由になった。
仲間A「今までの代償だな。ざまぁ見ろ」
仲間B「これでバイバイか…悲しいね。」
麗香「仕事探さないとね…」
仲間A「でも俺達はここを耐えてきたん
だからどんなにブラックでも生きてけるだろ。」
仲間B「そうだね!」
麗香「それじゃまたいつかね。」
仲間A「おん」
仲間B「バイバイ~!またいつかね~!」
麗香「ちょっと都会にでてみよっかなぁ~!ファッション系の店?いや、カフェとかもいいかも!」
外の世界を知った私はもう大興奮だった
麗香「動物園で働いてた頃はボロアパートの一部屋だけはくれたからその住所で就職しよっかな。」
カフェで就職のことを考えていると私は向こうの席に目がいったあれは…
お母さんだ。
しかも横には知らない男。手には赤子がいた。私は売られたんじゃなかった。捨てられたんだ。その言葉か浮かんだ瞬間全てが分かった。「誰との子かもわからん私を産んだ。そのタイミングでその男が好きになったが、子持ちだと分かるとそう上手くはいかない。私も大切だが男がたまらなく好きだったから複雑な気持ちであの時泣いていた。」違うかもしれないけれど。そうだとしたら…
麗香「…………………」
本当はこんなことしたくない。でも身体が動いていた。夜。お母さんと住んでたマンションの部屋に行った。気付けば入っていた。部屋にはいると寝室でお母さんと男がすーすーと寝ていた起こさないように慎重に進んでいると、赤子の部屋にたどり着いた。
麗香「これが、半分血が繋がった妹か…」
私は妹の頭をそっと撫でた。
その瞬間だった。バールを持った男と驚愕している母が立っていた。私は無意識に男からバールを奪い男を殺した。
母「あなた……もしかして麗香!?」
その時母が悲鳴をあげた。私がバールを母の頭におもいっきり当てたからだ。
私は発狂しながら何回も何回も母の頭をバールで殴った。二人を殺して家を出ようとしたとき妹が泣いた。置き去りにするのも殺すのも可哀想だ。
………考えた末、妹を誘拐することにした。あそこまで叫んだのだから近隣住人が通報。私は妹を抱えながら警察から逃げる日々を過ごした。
そして私はここの研究所にたどり着いた
あの時の事件が新聞に乗っている。私は目を疑った。どうやら男と母は、 川倉家から妹を誘拐し、我が子のように育てていたらしい。
私は妹と血なんて繋がっていなかったん
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先生のモチーフ曲は「痛いの痛いの飛んでいけ」です。