テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「…ここ好きなの?」
『…落ち着くから、すき』
「俺も。」
『空、見るのすき』
「…毎日見ても飽きないよね」
『…毎日変わるからね、空も、俺らも』
「俺らは変わりたくないけどね」
『…そう、だね』
「にしても雨、やばいな…」
『だからかな…今日体調悪いんだよね』
「俺も。体動かないし」
『勇斗どこ動かせる?』
「もう口ぐらいじゃない?動くの」
『…手は?』
「動かそうと思えば動くけど…ぐらい?」
『そっか…』
「仁人は?」
『足は動くし手もちょっとは動くけどそろそろやばいかも』
「…そっか、そろそろ、戻る?」
『うん、』
「明日も会えるといいな。」
『…そうだね 』
「会えなくても恨みっこなしな?」
『…うん笑』
「じゃあまた。」
『またね👋』
朝、起きたら体が重かった。
仁人。ごめん、俺今日行けそうにないわ。
“また明日”って言わなくて正解だった。
俺らはいつ明日が来なくなるか分からないから。
『勇斗…?』
「仁人、?」
『大丈夫…?』
「んー、まぁまぁ?」
『まぁまぁ、じゃないでしょ。』
「やっぱバレるか」
『何年一緒に居ると思ってんの』
「俺が此処来てからだから…8年?」
『もう、そんな経つんだっけ』
「毎日怯えながら生きてたらあっという間だわ」
『…俺後2日ぐらいかな』
「俺もそんなもん」
『ここまで来たら同じ日がいいよね』
「どっちが先に行っても悲しいとかないもんな。」
『自分も苦しいから他人に気を使う時間がない』
「それはそう。」
『…俺そろそろ戻るね』
「また、会えたらな」
『…そうだね』
急だった。夜、隣の部屋から凄い物音がすると思って行ってみた。そこには信じたくない光景が広がってた。
『はやとっ、?』
看護師さんに呼び止められた気がするけどそんなのどうでもいい
まだ大丈夫だよね…?
『勇斗っ、勇斗っ』
「…」
『ねぇってば…!』
「じん…と…?」
『勇斗…』
「ごめ…ん、おれ、むりだ…」
『バカッ!無理とか言うな!ポロポロッ』
『置いてかないでよ…ポロポロッ』
『お願いだからッ…まだッ、行かないでよッ…ポロポロ』
「置いてかないよ。ちょっと早くいくだけだから」
「でも、また、あえるよ」
『…うん…』
「じん…と…好き、だよ」
『…//今言うなバカッ!遅いわ!』
「…笑ごめん…」
『俺も…すき…』
「…ありがと…」
『…俺も、ありがと』
「…」
『はやとっ…ポロポロッ…ニギッ』
俺が握っている手はどんどん冷たくなっていった。
『勇斗、やだッ…やだよッ…』
『置いてかないって言ったじゃん…ポロポロ…』
『…すきだよ。だいすきだよ。またね。』
「…仁人、これ」
『太智…なに、これ』
「勇斗から。何かあったら渡せって」
『…バカッ…ポロポロ』
太智から渡された封筒の中には勇斗、太智、俺の3人で桜の下で撮った写真、そしていつ撮ったのか分からない俺が空を見つめる写真が入っていた。
俺だけが写っている写真の裏に「大好きな仁人ともっと一緒に居たかった。」と書いてあった。
『…じゃあ置いてかないでよッ…ポロポロッ…』
「勇斗さ、ずっと仁人の話しとったんよ。うるさいぐらい」
『…笑ポロポロ』
「そんぐらい、仁人のこと好きやったんよ。」
その2日後、病室には太智しか残っていなかった。
太智の手元には3人で撮った写真があった。
「2人とも、そっちで会えた?」
「…俺も爺ちゃんになったら会いに行くから。」
「…2人とも元気で、待ってて。」
写真の3人の笑顔だけはずっと色褪せずに変わらない。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
#さのじん
5,343