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「起立!礼!」
「さようなら!」
帰りのホームルームも終わり皆で屋敷に帰ろうと準備をしていた。
「皆、ごめん。僕、歩いて帰るから。」
「待って、桃瀬さん…。」
「花月、ごめん…今は1人にさせて……。」
彼の腕をつかんだ私の手を、そっと放して教室を出て行ってしまった。
「私…桃瀬さんにひどいことしちゃったのかな…?」
気づけば私の頬に涙が伝っていた。
「しょうがない…花月は覚えてないんだろ?それに…奏も少しイライラしてるだけだ。元はといえば、俺が花月にウイスキーボンボン食べさせたから…。それに、奏にあまり構わなかったのは大丈夫だと思ったからだろ?」
「はい…桃瀬さんは何でもできると思ったから…あまり見てなくても大丈夫だと思ってて…。でも、そのせいでこんなことになるなんて…。」
「花月、これは奏を庇うわけじゃないが、そういうふうに男を見ないでくれ。男って…女が思ってるよりもすごく単純…。少しのことで期待もするしショックも受ける生き物なんだ。だから無意識に意識させるようなことがあることを覚えておいて…。」
「まあ、今回は奏の嫉妬にも問題はあったから、お前だけが悪いわけじゃないと思うけどな。」
「俺たちにできることなら…何でもする。」
そう言って聖さんは私の頭をなでてくれた。
自分がやったことで桃瀬さんを傷つけてしまった。
ちゃんと謝らなきゃ…