テラーノベル
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ピンポーン……
「はい」
『サプラーイズ。お母さん、来ちゃった!』
「……ぇ…?」
突然のことに、私は画面越しに見える大荷物のお義母さんから俊介さんに視線を向ける。
俊介さんは…すでに立ち上って玄関へ駆けて行くところだった。私も慌てて俊介さんの後ろについて行く。
「いらっしゃい、母さん」
「こんにちは…荷物、持ちましょうか?」
「ありがとう、梓さん。この紙袋、どうぞ。あとで俊介と食べてね」
「あり……」
「ありがとう、母さんっ!」
私の言葉を遮った俊介さんが
「この百貨店の袋ってことは、僕の好きな中華の甘酢あんかけだね!」
と嬉々としてお義母さんの肩を抱く。
「そうよ。俊介は、ここのお魚の甘酢あんかけが好きよね」
「母さんの酢豚も大好物だよ」
―― 大好物なのはいいけれど、距離が近くない?
「……お茶、淹れますね…」
「ああ、いいのいいの、梓さん」
お義母さんにそう言われて、突然押しかけたという自覚はある人なのだと安心する。しかし、それはほんの数秒の安心だった。
玄関を入ってすぐの廊下で、大荷物をガサガサと開梱し始めたお義母さんは
「俊介、脚立か椅子、あるわよね?」
と手と口を動かす。
「うん、持って来る」
俊介さんはすぐに大股歩きで消え、ダイニングの椅子を持って来た。そして、お義母さんの指さした場所に彼が椅子を置くと、お義母さんが躊躇うことなく椅子に乗る。
「あの……何を?」
そう聞いた私の目の前で、お義母さんが慣れた手つきで何かをしている。
「えっ、カメラですか!?」
「そうよ。防犯って大事よ。若い夫婦は狙われやすいの」
「ありがとう、母さん」
俊介さんがそう言ってしまえば、私は反対出来ない。
でも、さすがに……玄関・リビング・キッチン・寝室に次々と小型カメラやセンサーを設置されると、異常だと感じた。
「ちょっと多くないですか……?」
「心配性でごめんなさいね。家族の安全のためよ」
防犯と言われれば、それもそうだけれど。それでも、あちこちから見られている感覚に、私は無意識のうちにカメラの死角を探していた。
そして、防犯という意味はすぐに崩壊する。
コメント
3件
防犯って、先ずは外に設置だよ💢 寝室になんて有り得ない😱 常に見張られてる💢💢💢

そんな数…防犯な訳ないよね😤 マザ俊…むしろ喜んでないか⁉️
結婚するまで隠してたのかな?だよね。あずあずなら気づくはずだもの。 寝室までに防犯カメラ! 『なにも』できないね… 結婚するまで相談所のルールで『なにも』しなかったわけだし、あ…だからこの母息子はそこを選んだのかしら。
#不倫
#離婚