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コメント
12件
おおっ! 面白い作品だなぁ…。
もう!すき!
……なんかスカビオサくんどえすでてきてない????キャラ崩壊してない???大丈夫???(
「ふぁ……眠い」
「寝なよ。明日早いんだから」
「スカビオサも寝ようよ」
「えー、僕はまだ準備終わってないからさぁ」
「じゃあ私が寝るまで横になってて」
「勝手なんだから」
ただいま丑の刻、よゐこは寝る時間です。
僕は悪い子だから寝ないけれど。
心做しかアイビーの頬が少し火照っている気がする。
全く、明日は大事な日なんだから、風邪でも引かれたらたまったもんじゃない。
「ほんと、君って勝手だよねえ」
「どういう意味」
「僕のこと置いてこうとしたりしてさ。や、く、そ、く。忘れた?」
「え?」
「責任とってくれるんじゃなかったの?」
「え……あ、忘れてた」
「ちょっと、僕拗ねてしまうのだけど」
「ごめんごめん」
アイビーが肩を揺らして笑うと、敷き布が少し音を鳴らす。
こうやって二人で話せるのも、今日が最後かもしれないのか。
「アイビー」
「ん」
「大好きだよ」
「うん、愛してる」
アイビーがそう言った瞬間、僕の頬にほんの少しの温もりが落ちる。
僕の理解が追いつかないでいると、彼女の顔が目の前に戻ってきて、にしし、と綺麗な白い歯を出す。
やられた。
「さっきのお返し」
「なら僕だって」
アイビーの白い首筋にかぶりつく。
ちゅっ、と吸ってみる。
「いっ……何やってるの」
「ん、ついたついた。初めてだから綺麗に着くか不安だったけど。なんか虫刺されみたい」
ははっと笑う、さっきのお返し。
アイビーの白い肌には一部だけ紅い僕の印がある。
気分がいい。
「覚えててよ」
「忘れるわけがないじゃない」
今日がもし、君と最後の夜だとして、もうこんな会話交わせないとして。
僕は後悔なんかない。