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*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
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#オリジナルキャラ含む
Luna Emma
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終業式。
「みんな、よい夏休みを!」
先生の声と同時に、教室は一気ににぎやかになる。
「海行こうぜ!」
「宿題終わる気しない!」
「また二学期なー!」
笑い声があちこちから聞こえる。
奏斗は机の横で荷物をまとめていた。
(夏休みか……。)
いつもなら嬉しいはずなのに。
今日は少しだけ違った。
-–
「石川。」
「……なに。」
「夏休み。」
「うん。」
「暇?」
「宿題ある。」
「俺も。」
「……。」
「それ終わったら?」
「?」
「遊ばない?」
その言葉に。
冴の手が止まる。
「……二人で?」
「うん。」
「図書館とか。」
「本屋とか。」
「……。」
「嫌?」
冴は少しだけ考える。
胸の奥が、ふわっと温かくなる。
「……嫌じゃない。」
「じゃあ決まり!」
奏斗は満面の笑みを浮かべた。
-–
翌週。
待ち合わせ場所は駅前の小さな本屋。
奏斗は約束の十五分前には着いていた。
(早すぎたかな。)
腕時計を見る。
あと十二分。
あと九分。
あと五分。
落ち着かない。
そのとき。
「……神崎。」
振り返る。
冴だった。
白いシャツに、黒いパンツ。
学校では見ない私服姿。
「……。」
奏斗は言葉を失う。
「神崎?」
「えっ。」
「どうした。」
「いや。」
「……。」
「似合ってる。」
「……。」
冴は少し目を伏せる。
「……ありがとう。」
耳が赤い。
-–
本屋。
「これ新刊。」
「ほんとだ。」
「あと。」
「この作者も好き。」
二人は自然と本を手に取る。
「石川。」
「?」
「おすすめ。」
「教えて。」
「……。」
冴は一冊の本を抜き取る。
「これ。」
「泣ける。」
「へぇ。」
「最後。」
「ずるい。」
「?」
「泣く。」
「そんなに?」
「……俺は泣いた。」
「じゃあ読む。」
「……うん。」
-–
店を出る。
外は夏の日差し。
「あっつい!」
「……暑い。」
「アイス食べる?」
「いい。」
「俺のおごり。」
「……。」
「文化祭のお礼。」
「今さら?」
「今さら。」
「……。」
冴は小さく笑う。
「じゃあ。」
「バニラ。」
「了解!」
-–
公園のベンチ。
「はい。」
「……ありがとう。」
アイスを一口。
「おいしい。」
「よかった。」
風が吹く。
蝉の声が響く。
どちらも何も話さない。
でも。
その沈黙は気まずくなかった。
「……神崎。」
「ん?」
「夏休み。」
「?」
「思ってたより。」
「楽しい。」
奏斗は思わず笑った。
「俺も。」
「……。」
「石川。」
「なに。」
「また遊ぼ。」
「……うん。」
「何回でも。」
その一言に。
冴は少しだけ目を見開く。
それから。
ゆっくり笑った。
「……何回でも。」
-–
帰り道。
駅で別れる。
「じゃあ。」
「また。」
「うん。」
電車のドアが閉まる。
奏斗は窓越しに手を振る。
冴も小さく振り返す。
電車が動き出す。
見えなくなるまで。
二人とも、その場を動かなかった。
-–
家に帰った夜。
冴は机に向かう。
宿題を開く。
五分。
十分。
鉛筆が止まる。
ふと、今日買った本を見る。
その隣には、レシート。
そこには二人分のアイスが印字されていた。
冴はそれを見つめて、小さく笑う。
「……。」
誰にも聞こえないくらい小さな声で。
「……また。」
そうつぶやいた。
コメント
1件
いや〜、もう胸がぎゅーってなったわ!奏斗が冴に「何回でも」って言うところ、あれめっちゃ良かったよね。普段あんま喋らない感じの二人が、夏の日差しの下で少しずつ距離縮めてくのが尊すぎる。最後のレシート見て笑う冴のシーン、地味にグッときたわ。この二人の空気感、ほんと好き。続き読みたい🔥