第1種目:50m走
「3秒04!」
ドッっという音と共に高記録を出した飯田君。ー飯田天哉”個性”「エンジン」
見たまんまだ!足が速い!ー
隣を走っていた蛙みたいな子は5秒58というなかなかの記録。
ケロって鳴き声が可愛らしい。
ショートヘアの女の子は自分の服や靴に触っている。
ちなみに私は、端にあるベンチに座って見てます!
「7秒15!」
最後ひ〜〜と言いながらゴールしていたが、普通に速いよ…。
ー麗日お茶子”個性”「無重力」
触れたモノにかかっている引力を無効化する!ただしキャパオーバーすると激しく酔う!ー「フフ…みんな工夫が足りないよ。」
金髪の男の子はこれから走るというのにくるっと後ろを向いた。
「”個性”を使っていいってのは…」
トンッとジャンプして、スタートと同時にお腹からビームのような光線を発射した。
「こういう事さ!」
ビューンって飛んで行ったと思ったら落ちてきて、また飛び出した。
「5秒51!!」
「1秒以上射出するとお腹壊しちゃうんだよね。」
うーん、よく分からない。
ー青山優雅”個性”「ネビルレーザー」
へそからレーザーが出る!持続時間がネックだ!ー
「爆速!!」
「へ?」
「ターボ!!」
「どあ!!」
すごい勢いで爆発しながら進んでいった。
「4秒13!!」
ー爆豪勝己”個性”「爆発」ー
「7秒02!」
緑谷君は普通に走るんだな。
あの測定器、オツカレって言ってくれるのかな。
優しい。
なんか緑谷君落ち込んでたみたい。
第2種目:握力ーー…
「すげえ!!」
「540キロて!!
あんたゴリラ!?
タコか!!」
「タコって、エロいよね……。」
ご、540キロ…。
桁が違うんだけど。
あと何言ってるんだろう、あのボール髪の人。第3種目:立ち幅跳び
さっきの金髪レーザー君はまた飛んでいってる。
爆豪君は爆発で飛んだ。
第4種目:反復横跳び
ボール髪君は髪の毛をもぎ取ってまとめてその間をすごいスピードで弾かれてる。
テクニシャン…。
第5種目:ボール投げ
ショートヘアの女の子の番だ。
「セイ!!」
投げるとボールは重力に逆らってふわ〜っと飛んで行った。
相澤先生がス…っと出した計測器には∞と表示されている。
「∞!!?」
「すげえ!!
∞が出たぞーー!!!」
重力に干渉する感じの個性かな?
次は緑谷君だ。
「緑谷君はこのままだとマズいぞ…?」
「ったりめーだ。
無個性のザコだぞ!」
「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」
「は?」
緑谷君何したんだろう。
振りかぶると同時に緑谷君の腕に光が走った。すごい勢いだったのに突然力が抜けてしまったようにボールは近場に落ちた。
「46m。」
どうしたんだろう緑谷君。
「な…今確かに使おうって…。」
「”個性”を消した。」
「!?」
相澤先生、個性使ったんだ。
「つくづくあの入試は…合理性に欠くよ、おまえのような奴も入学出来てしまう。」
「消した…!!
あのゴーグル…そうか……!
抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!!!」
緑谷君すごいな、イレイザーヘッドを知ってるなんてかなりのヒーロー好きなんだ。
今度お話したい。
「イレイザー?
俺…知らない。」
「名前だけは見たことある!
アングラ系ヒーローだよ!」
流石ヒーロー科だな。
みんながざわざわ話している間、相澤先生は捕縛武器を使って緑谷君に詰め寄っていた。
「彼が心配?
僕はね…全っ然。」
金髪レーザー君…。
ショートヘアの女の子もダレキミってなってるよ!
「指導を受けていたようだが。」
「除籍宣告だろ」
緑谷君、何かをブツブツ呟いてる。
相澤先生は目薬をさしてから緑谷君を見た。
緑谷君が振りかぶる。
ブツブツ呟きながらだけど、さっきと何か違う。
「今。」
指先が光ったと思ったら、ボールがすごいスピードと勢いで飛んで行った。
緑谷君の指先はズキズキと腫れ上がっている。「先生……!
まだ……動けます。」
すごく痛そう。
この後のテスト受けられるのかな?
「こいつ……!」
治してあげたいけど、ここで個性使うって決めたのは緑谷君だから、今はまだ治せない。
終わったら保健室連れてかなきゃ。
「やっとヒーローらしい記録出したよーー。」「指が腫れ上がっているぞ。
入試の件といい…おかしな個性だ……。」
「スマートじゃないよね。」
みんな各々色んなことを言っている。
確かに個性が気になる。
でも、勝手に個性を知られるのは嫌がる人もいるから見ないでおく。
「どーいうことだこら、ワケを言えデクてめぇ!!」
「うわああ!!!」
爆豪君がボボッっと爆発させながら緑谷君に走りよる。
突然フッっと爆発が消えて、爆豪君に捕縛武器が絡みついた。
「んぐぇ!!
ぐっ…んだこの布固っ…!!」
この場でこんなこと出来るのは相澤先生しかいない。
案の定相澤先生が個性を使いながら爆豪君達に近づく。
「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ「捕縛武器」だ。
ったく。
何度も”個性”使わすなよ…。
俺はドライアイなんだ。」
ー相澤消太”個性”「抹消」
見た者の”個性”を消す!瞬きすると解ける!ー「時間がもったいない。
次、準備しろ。」
「指、大丈夫?」
「あ…うん…。」
ショートヘアの女の子がうわあ…って言いながら緑谷君を心配してる。
「んじゃ、パパっと結果発表。
トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。
口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。」
みんな緊張してる。
下手したら初日に除籍処分なんて……。
「ちなみに除籍はウソな。」
「!?」
「君らの最大限を引き出す合理的虚偽。」
「はーーーー!!!!??」
「あんなのウソに決まってるじゃない…。
ちょっと考えればわかりますわ…。」
ポニーテールの美人さんが言ってたけど、私、分からなかったよ。
かなり長い付き合いなのに、ウソも見抜けないなんて。
でも、ほんとにウソなのかな?
ひざし君から去年は全員除籍処分にしたって聞いたことあるけど。
もしかして、全員に可能性を感じたとか?
そうだったらいいな。
「そういうこと。
これにて終わりだ。
教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。」
そう言うと相澤先生はくるって振り向くと歩いて行く。
私に1枚紙を押し付けて。
「緑谷連れてってやれ。
お前のはこれから何回も受ける機会があるだろうから、ばあさんに治してもらえ。
それに今日、あんまり調子良くないんだろ。」そう言うと私の返事を待たずに行ってしまった。
相澤先生よくわかったな、さすが。
「緑谷君。」
なんなの…と言いながら放心状態の緑谷君に声をかける。
「あ、えっと、九重さん?」
「保健室行くよ。」
「え?」
「指、治さないと。
明日からもっと過酷な試練の目白押しみたいだし。
利用書一応貰ったから。
着替えたら更衣室前で待ってて。」
そう話していると、近くにいたショートヘアの女の子が話しかけてくれた。
「じゃあ一緒に着替えにいかん?
自己紹介もまだできてないし。」
「うん、そうしよう!
私もみんなのこと知りたい!」
その後ショートヘアの女の子、麗日お茶子ちゃんと更衣室に向かった。
出来たら感想聞かせて欲しいです…。
初めてなので、不安です。
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