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・オメガへの差別厳しめ。
・すでに卒業したライバーの名前が一部出てきます。
・こちらはnmmnを取り扱った作品です。
・とあるライバーさんの名前を使っています。
以下を読み、大丈夫だと思った方だけ先にお進みください。
fw『』
akn「」
その他の人()
多少の誤字脱字はお許しください。
(明那side)
この世界は、一般的にオメガバースと言われる第二の性が存在する。
その性というのは三つあり、それぞれオメガ、ベータ、アルファだ。
その中でもベータは圧倒的に人口が多く、アルファは希少で高貴な存在と言われる一方で、オメガは……オメガとして生まれた時点で人生終了と言われるほど、邪険に扱われることが多い。
その理由は発情期があり、アルファ無しでは生きていけないことに関係しているのだろう。
まあ逆に言えばアルファの番さえ見つければ人生勝ち組、と言えるのだろうが。
なんにせよ、平凡なベータの俺には関係の無いことだ。
確かに差別とかは俺も反対だし、オメガというだけで邪険に扱うのは如何なものかと思うが、まぁ結局、そういう問題は他人事として思っていたのだ。
──────あの時までは。
その日は、ずっと体が熱っぽかった。最初は少し風邪気味なだけかと思って普通に過ごしていたが、時間が経つにつれ息が上がってきて、流石におかしいと思い、いつも通っている病院へと向かったのだ。
ーーーーーーーーーー
(…三枝さん、確かベータでしたよね?)
「?はい、そうですが」
何を今更と思いながら、医者の方を見る。
医者はいかにも言いにくそうに俺から視線を外し、暫くしてやっと口を開いた。
(大変言いにくいのですが……───三枝さん、オメガに変異してます)
「…………は?」
一瞬、時が止まった気がした。
おめがにへんい?おれが?
????
頭が?で埋め尽くされる。
(三枝さんってもしかして両親のどちらかがオメガだったりします?)
「え、あ、はい。母親の方がオメガで……」
その時、ハッと思い出した。
いつかどこかで聞いた話、両親のどちらかがオメガだと、子供はベータからオメガに変異する可能性があると。
だが、それはかなり稀なことで、実際に起きることはほとんど無いと言っていたのに。
その時はへー、と自分には関係のない話だと思っていた。
なのに、なのに、なんでおれだけ?
(もうお気づきだと思うですが、恐らくそれが原因の一つだと考えられます。…それと)
「…それ、と?」
(…三枝さんの周りに、アルファの知り合いはいらっしゃいませんか?その方かは分からないんですが、強いフェロモンを長時間浴び続けたのが、二つめの原因と思われます。その二つの原因が合わさって、今回のようなことが起こったのかと……)
「なんや、それ」
俺の周りに、アルファ、?
誰だ?俺の友達の中に、アルファなんていたっけ?
……知らない。
皆んなのバース性なんて、聞いたこともなかった。そんなことで遊ぶ相手を選ぶなんて嫌だったから、あえて聞いてこなかったのに。
それに、長時間浴び続けたってことは、俺と大分親しい関係の人……
だれ、だれ?
叶さん?まゆ?……ふわっち?
分からない、わからない……、
そもそも、それを突き止めてどうする?俺がオメガになってしまったという事実は変わらないのに。
責任を取れとでも言うか。いやいや、その人は悪くないのに、そんなことを言うのは最低だろう。
……気持ち悪い。
頭ががんがんとして、耳鳴りが激しい。
自分の体がわからないというのは、こんなにも怖いものなのか。
初めて、オメガの人たちに同情した。
「…、あれ」
気づけば、自分の部屋のソファに寝転がっていた。
俺がどうやって帰ってきたのかが全く思い出せない。
天井はぐるぐると回っていて、寝たからと言って体調が良くなったわけじゃないようだ。
「ぉえ、…」
なんの意味もなく、そんな嗚咽を漏らしてみる。だけど、そんなことでこの気持ち悪さが治る訳もなく、俺は何かが俺の体を蝕んでいくのを感じながら、ただ自分の家の天井を見つめていた。
怖い。
その時、恐怖感が俺の体を覆う。見慣れた部屋のはずなのに、なんだか全く知らない場所のように思えて。
あーあ、俺、メンタルも終わってるみたいやわ。
どうしようもなく、涙が出た。自分の体が変わってしまった。
オメガは、アルファ無しでは生きていけない。発情期も来る。抑制剤だって、飲まなければ。
今まで他人事だったことが、一気に自分ごとになってしまう。
これから俺は、どうなってまうん?
そんな答えのない問いだけが、俺の中をぐるぐると回っていた。