第4話!
なんでも平気な子だけ行ってらっしゃい!
大雨の中、家路を辿る。
疲れすぎて、何故か裏道ではなく表道を通ってかえってきてしまったが、
誰にも会わないのだからいいだろう。
いふ「…着いた…」
家の前に着いた。
中の声から、父親も帰ってきてるのだろう。
…きっと、音を立てずに入れば大丈夫だ。
いふ「…ガチャ」
よし。誰も来ない…
父親「…」
…どうして?
そこにはさっきまでリビングにいたはずの父の姿があった。
父親「そんな汚れた格好で…この家に入ろうとでも思っているのか」
いふ「…」
父親「…家を汚すなとあれほど言っただろうが!!!」
いふ「っ…すぐ…部屋に行きますから」
父親「家に入るな!!」
ドンッ
いふ「ったぁっ…!?」
体を押され、外に出される。
いふ「父さん!」
父親「姿を見せるな!!もう家に入るでない!!」
ガチャッ
追い出された。
行くあてがなくなってしまった。
雨の中、こんなびしょ濡れの俺を匿うやつなんているわけが無い。
まず、友達という人がいないから
匿ってもらえるはずはない。
みんなからは不良副会長と呼ばれ、顔も名前も覚えられている。
何しろ目立った青髪だからな。
いふ「…追い出されてもなぁ」
行く宛てねぇし。
スマホ…はあるか。
あにき…じゃなくて、悠佑先輩がいるけど
心配かけたくないし
いふ「はぁ…」
迷惑だよな…?
学校まで行ったとしても…
鍵は山本が持ってるよな。
…いやまて、箱じゃ?
あいつ、俺が学校から出ようとした時もう車で帰ってたし…
今もう8時すぎてるし、流石に誰もいないだろ。
…行ってみるか。
案外楽だった。
鍵を開けて、閉めて、
部屋行って、窓から降りて、
箱に入れて、また戻る。
そして、仕事を再開させる。
いふ「…あ、山本にデータ消されてる」
くっそ。やり直しじゃねぇか。
はぁ。今日はここでオール…かな
次の日。
初兎「お母さん!今日友達が弁当忘れたって!」
ううん。嘘。
いふ兄の分のお弁当も持ってくために。
父さんにバレないように。
母「あら?そうなの…あ、今日はそれに部活だったわよね。ちょっと待っててちょうだい?」
初兎「うん!」
母さんも気づいたみたい。
兄ちゃんの分の朝ごはん、昨日の分の夜ご飯だ。
母「はい、気を付けてね!」
初兎「いってきまーす!」
なんだか嫌な予感がする。
今日は二限の前に行こうかな…
あ、でも…二限は体育だ。
…、着いたら行こう。
HRと一限の間に。
はよ、届けんと。
いむ「あ、初兎ちゃん!おはよ〜!」
りうら「しょにだおはよ〜!」
初兎「いむくん、りうら先輩!おはよ〜!」
初兎「今日HRと一限の間に行くから。」
いむ「え?大分早いね」
初兎「うん。ちょっと…いろいろあって」
りうら「そうなの〜?あ、ないくんもHRと一限の間、行くらしいよ〜」
初兎「っそうなんだ、わかった」
どこに行くって?
もちろん生徒会室に。
いつもは1人だけど…今日は会長さんもいるのか。
俺、行って大丈夫なんかな…
教室を飛び出て、急いで廊下を渡る。
今日は一応ノックする。
「はーい」
あ、いるんだ…
「えと、1-Bの初兎です。」
「ああ、入っていいよ〜」
扉を開けて中に入る。
ないこ「どうぞ、多分また篭ってるからさ」
初兎「ありがとうございます。」
ぺこっと頭を下げて、副会長室に行く。
コンコン
初兎「いふn…えーと、いふ先輩!」
しーん…
…あれ?いつもなら何かしら言ってくれるのに…
初兎「え、えーと…?いふ先輩?
初兎です」
いふ「…帰れ」
初兎「…へ…?」
初めて、言われた、…「帰れ」、なんて
初兎「な、んでですか!?」
初兎「ビクッ」
なんで、そんなに怒ってるん…?
ないこ「おい、お前…後輩に対してそういうこというなんて酷いだろ。来てくれてんだから」
いふ「…会長には関係ないことです」
ないこ「いや、ある」
いふ「とにかく、今日は帰れ、初兎」
初兎「っなんでや!」
いふ「…!」
勢いよくドアが開いた。
いふ「…学校では赤の他人やって何度言ったらわかるん?」
いふ兄の目にハイライトなんてものはなかった。
冷たくて、感情のない目だった。
すごく、怖かった。
初兎「…ごめ、…なさ…」
声が震えた。上手く、声が出んかった。
悠佑「…まろ」
悠佑「あーちがう。いふ」
初兎「っ!」
悠佑先輩…!
悠祐「そこらへんにしとき。」
いふ兄が先輩に怒りの矛先を向ける。
悠祐「わかっとーよ。今日は話しかけん。」
と同時に、先輩が「話しかけない」と言う。
悠祐「ごめんな。初兎も、1回帰ろ」
初兎「っえ、あ、うん…」
言われるがままに、先輩の後ろについて
俺は生徒会室を出た。
コメント
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すいませんこっちのバグか分からないんですけど真っ白なんです
おとーさん一回地面に埋めたい。((?