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部屋へと場所を変えて、ワインボトルをルームサービスでオーダーした──。
彼のグラスにワインを注いで、「もうあまり酔われないようにしてくださいね」と、口添えて、冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターをグラスに入れて差し出した。
「ああ、言わなければならないことも、まだあるからな」
そう口にしてグラスの水を飲み込むと、彼の咽頭がごくりと波打って、目が吸い寄せられた。
言わなければならないことって……あなたにその気がなければ、私はこれ以上はもう……。
今までこんなにも親しげにお付き合いをさせてもらって、それだけでもう充分すぎるほど幸せですから……。
ホテルの部屋の小さめの丸テーブル越しに見る彼は、薄い水色のワイシャツに、黒地に青を溶かし込んだようなミッドナイトブルーのスーツジレを合わせていた。
……今日も、さすがのカラーコーデって感じで。
そうぼんやりと思いながら、愛しくてたまらない人の姿を見つめた……。