学園長「第八試合目を行う!一覇衆8番手前へ!」
仙蔵「さて、次は誰が来るかな。」
文次郎「仙蔵。お前大丈夫なのか?」
仙蔵「あぁ。」
小平太「おっ!出てきたぞ!」
小平太の声に一覇衆の方を見ると、裾をたくしあげて二の腕が見えている男がやってきた。男は額に太陽が描かれた黒い半狐面をしており、見える口端は上がっている。
男は校庭の真ん中で止まり一礼した。
?「俺の名前は神楽!潮江文次郎殿にお相手願いたい!」
その言葉に周りの空気がぴりついた。
留三郎「あいつが神楽。」
小平太「ずるいぞ文次郎!私も神楽と戦いたい!」
滝夜叉丸「七松先輩落ち着いてください!相手は潮江先輩を選ばれたんです!それにまだ湊というかたがいらっしゃいます!」
今にも飛び出しそうな小平太を滝夜叉丸が必死に抑える。
文次郎「フンッ!諦めろ小平太。」
文次郎は袋槍を持って校庭に出た。
神楽「よろしくお願いします。」
文次郎「あぁ。」
神楽「早速で申し訳ないんですけど、始めてもいいでしょうか?」
文次郎「あぁ。かまわん。」
お互いに構えを取り睨み合う。
先手をきったのは神楽だった。
低い姿勢から踏み込み、手裏剣を投げたのだ。文次郎は横に飛びそれを避ける。その瞬間、神楽はすぐに煙玉を投げる。
文次郎「クッ!」
〜前が見えない!〜
「何処だ!」
神楽「上です!」
文次郎が上を見ると、苦無を持った神楽がいた。神楽は文次郎に思い切り苦無を振り下ろす。文次郎はそれを袋槍で受け流し、すぐに反撃する。
グサッ!
文次郎〜手応えあり!~
「‥‥なっ!」
文次郎の袋槍に刺さっていたのは神楽の身体ではなく、丸太だった。
文次郎「変わり身の術か!」
〜速い!目で追っても追いつけない!〜
〜っ!後ろか!~
カキン!
神楽「!この短時間で俺のスピードについてきたのはあなたで二人目ですよ!」
文次郎「っ!残念!二人目か!」
神楽の攻撃は一つ一つが重かった。
文次郎「っ!」
神楽が文次郎の袋槍を飛ばし、文次郎の首に苦無を当てた。
文次郎「ま、まいった。」
学園長「勝者神楽!」
神楽「‥‥ありがとうございました。」
文次郎「こちらこそ、ありがとう。」
神楽「‥‥あなたなら、武器がなくても体術で来ると思ったのに。」
文次郎「っ!」
神楽「地獄の会計委員長の名が聞いて呆れる。‥‥ありがとうございました。」
ため息を付いた神楽は、文次郎に一礼し去っていった。
文次郎「くそっ!」
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