学園長「九試合目を行う!一覇衆9番手前へ!」
?「はい。」
音をたてることなく静かに立ち上がった男は、額に三日月が描かれた半ぎつね面をしており、悠よりも綺麗な栗色の髪をなびかせながら、小平太の前に立った。
?「はじめまして。湊といいます。お手合わせ願えませんでしょうか。七松小平太殿。」
小平太「私か!よろしく頼むぞ!湊!」
湊「よろしくお願いします。」
湊は刀を構え、静かに小平太を見つめる。
小平太「へぇ〜。お前、刀を使うのか!金吾が喜ぶな!」
湊「‥‥何故?」
小平太「ん?あぁ、私の後輩が刀を振るうんだ!毎日毎日欠かさずにな!いつか金吾と手合わせするのが私の夢だ!」
湊「‥‥じゃぁ、あなたの夢は叶ったも同然ですね。」
小平太「ヘ?」
湊「何でもないです。はじめましょうか。」
小平太「あぁ!」
湊は足音もたてずに小平太に向かって走っていく。湊が動くたびに湊の腰まである栗色の髪が揺れる。
小平太が苦無を構えると、湊は小平太の首にむかい刀を振るった。
小平太「っ!」
あまりの速さに小平太は体をのけぞらせギリギリのところで湊の攻撃を避けた。
湊は反撃の隙を与えることなく小平太に攻撃を入れていく。
小平太「くそ!」
小平太ー速すぎる!動きに一切無駄がない、しかもこの動き、まるで戸部先生と戦っているようだ!ー
湊「遅い、弱い、未熟。そんなので、立派な忍びになれるとでも?」
湊の攻撃は野獣の牙のように鋭く、小平太はなんとか凌いでいたが、ついにバランスを崩してしまった。
湊「……これで終わりですね。」
湊が小平太に向かって刀を振り落とした。
金吾「七松先輩!」
金吾の声が、校庭に響き渡る。
小平太「っ!」
ガキン!
湊「!!」
湊が目を見開いた。
湊「流石ですね、」
小平太「っここで諦めたら、後輩に示しがつかんからな!まだ武器を持っているのに諦めるのは、カッコ悪い!たとえ相手が雲の上のような存在だったとしても、私は諦めるような真似はしない!」
小平太は、クロスして湊の刀を受け止めている苦無を振り、刀を弾いた。
湊「……そうですか。」
小平太と距離をとった湊は両腕をだらんと下げて下を向いた。
湊「あなたのその信念、心構えは認めましょう。でも覚えておいてください。あなたのその考えは、いつか貴方の身を滅ぼす!」
ユラリと動いたと思った湊は、そういい終わると同時に一瞬で小平太の目の前までやってきた。
小平太ー速すぎる!ー
小平太が反応できずにいる間に、湊は小平太の首に刀の刃をあてた。
湊「私の勝ちです。」
学園長「勝者、湊!」
学園長の湊の勝利を上げる声が校庭に響いた。
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続き楽しみにしてます!!