ーーーある教室ーーー
桃「はぁっ……はぁっ……もう無理……」
橙「昔から体力ないな?」
桃「うるせぇっ……はぁっ…」
橙「ここな、桃ちゃんの為に借りた場所なんよ」
桃「え?」
橙「座り、疲れたやろ?」
桃「…………」
橙「どしたん?座らないん?」
桃「椅子……ないよ?」
橙「ここの教室の机とか椅子は他のクラスが使ってるからな、空っぽなんよ、だから床に座り、汚くないで」
桃「……」
橙「どしたん?」
桃「橙座って」
橙「ん?」(座る)
桃「ん…………」
(橙の足の間に座り橙に寄っかかる)
橙「っ……かわよっ」
桃「疲れた……橙のせい」
橙「俺?」
桃「走るから……」
橙「ごめんな?でも誰もいなくて落ち着くやろ?」(頭を撫でる)
桃「うん……」スリッ
橙「可愛すぎるやろ……」
桃「……うるさいっ。で?なんでここ借りたの?」
橙「桃ちゃん、人多い所苦手やろ?桃ちゃんの体調とか悪くなったらここに来れるように借りてたんよ。保健室でも良かったけど、誰かしらいるからさ」
桃「……心配し過ぎ」
橙「桃ちゃん精神的にやられちゃうと体調に来ちゃうやろ?しんどくなっちゃうの嫌やん」
桃「…………」スリッ
橙「どしたん?」
桃「疲れたの、休んでるだけ」
橙「……ふっ、そかw」ナデナデ
甘えてるんよな?可愛いヤツやな
桃「休んでるだけだからな!」
橙「分かったって、休んどるんよな」
桃「ふんっ……」
橙「つんつんデレやな」
桃「つんつん?」
橙「分からなくてええんよ〜」ギュッ
桃「んっ……落ち着く」ボソッ
橙「クスッ……」
聞こえとるんよなぁ
桃「橙……?」
橙「ん?なんや?」
桃「……ごめん」
橙「何?急に……どしたん?」
桃「さっき……めんどくさかったかなって」
橙「女の子たちに囲まれてること?」
桃「違うっ……!」
橙「……あぁ、他の子に優しくするなって可愛いやつ?」
桃「可愛くないし……」
橙「嬉しいで、桃ちゃんが俺に対してそんな事思ってくれて」
桃「…………」
橙「可愛いなぁって思うしめんどくさくないで?俺も気をつける」
桃「………あり…がと」
橙「桃ちゃんはもっと我儘、俺に言っていいんやで?我儘したことないやろ?」
桃「でも……我儘は迷惑だから」
橙「迷惑じゃないで、お互い迷惑掛け合うのが恋人であり未来の家族やで」
桃「未来の家族?」
橙「そ、桃ちゃんと俺、家族になるんよ」
桃「……え」
橙「……桃ちゃんにとって家族って嫌な感じしかないと思う……でも俺は桃ちゃんを絶対幸せにする。だから家族にもなりたいなって」
桃「……家族ってどうやったらなれるの?」
橙「ん〜結婚するかな」
桃「……男同士でできるの?」
橙「ん〜無理かもしれんな、でも結婚式あげよな、青たちだけ呼んで祝ってもらお!形だけでもええやん!」
桃「家族……結婚式……」
橙「そや!楽しみやろ?」
桃「早くない?まだ高校生」
橙「はやないで!卒業したらすぐやろうや!」
桃「っ……」
橙「……桃ちゃん?」
桃「ほんとに……俺で……いいの」
橙「うん、ええで」
桃「家族も……俺でいいの?」
橙「桃ちゃんがえぇ、桃ちゃんじゃないと嫌やもん」
桃「…………」
橙「…………」ナデナデ
桃「グスッ……」
橙「なぁに、泣いてるん?」
桃「グスッ……だって……」
橙「ん?」
桃「グスッ……橙嫌い」
橙「なーんでやー」
桃「グスッ……グスッ……」
橙「桃ちゃん、絶対に幸せにしたる」
桃「やだ……グスッ……」
橙「え〜?なんでや?」
桃「幸せになったら……グスッ……また酷いこと……起こるかも……」
橙「起きるかもなぁ……でも俺と半分こしたら大丈夫やろ?一緒に乗り越えて行こや」
桃「グスッ……バカ」
いつも欲しい言葉くれる……
橙「バカなんかなぁ?」
桃「グスッ……」
なのに俺は……橙の為に何かしたのかな…橙の為に何か言ったかな……
橙「どしたん?」
桃「橙……大好き……」
橙「うえっ!?……えっ!?……もう1回言ってや!」
桃「やだ……」
橙「えぇぇー!!」
桃「クスクス……」
たまに……こうゆう事、言うのいいかも……
橙「桃ちゃん、俺も大好きやで、愛しとる」
桃「ん……」
ーーー放課後ーーー
放送)今日の文化祭楽しんでいただけたでしょうか!寂しいとは思いますが、今日はここで終わりにしようと思います。学生の方は軽く片付けて自分の教室に戻り担任の指示に従って下校してください。
桃「スー……スー……」
橙「桃ちゃん、桃ちゃん」
桃「ん……あっ……寝ちゃった……」
橙「いっぱい泣いたし、楽しんだから疲れてたんやろ」
桃「泣いたのは余計だし……」
橙「クスッ、ごめん、文化祭終わってもうたよ?」
桃「え!そんなに寝てた……?」
橙「俺教室に戻らんと」
桃「あ、ごめん……俺どうしよう…」
橙「ここで待っとる?先生に伝えてここに残れるよう言えるけど」
桃「でも……迷惑じゃ……ここの生徒じゃないし……」
橙「ん〜……じゃぁ、校門前で待っとる?店長達は先帰ってもうたし」
桃「え!?そうなの」
橙「さっき連絡来てたんよね。一緒に帰って来れるなら一緒に帰ってって」
桃「校門前で待ってるよ」
橙「そか、あ、でもあまり顔見せないようにフード被っとき?また女の子たちに囲まれるで」
桃「うっ……そうする」
橙「校門まで行けるか?」
桃「…………ここどこ」
橙「だよなぁ、送るわ」
桃「大丈夫なの?遅れない?」
橙「大丈夫大丈夫、青に連絡しとく」
桃「そっか……じゃぁ、お願いします」
橙「おう、行こか」
ーーー校門前ーーー
橙「じゃぁ、待っててな」
桃「うん」
橙「ほら、フード被って」(被せる)
桃「わっ…!」
橙「知らん人に話しかけられてもついて行かんでな?」
桃「ついて行かないよ!」
橙「よしよし!じゃ、行ってくる」
桃「うん、待ってる」
橙「立ってるの辛いと思うからあそこに座ってな」
桃「うん、分かった」
橙「じゃ、また!」(行く)
桃「……学生……か……」
コメント
1件
橙くん心配しすぎだけど、そこから優しさを感じる☺️ 未来の話を聞くと何故か泣いてしまう😭