テラーノベル
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スピーカーから流れる歓声が、会場に響き渡る。
色とりどりのペンライト。
眩しいほどのスポットライト。
その中心で歌う二人の姿は、まるで夜空に輝く星そのものだった。
──Stellaris。
日本中を熱狂させた伝説のアイドルグループ。
ステージの上で笑うLANとすちを見つめながら、幼いなつは目を輝かせていた。
「なつ!かっこいいでしょ!」
隣では母が興奮した様子で言っている。
「うん……!」
まだ小学生だったなつは、ただ頷くことしかできなかった。
だけど、その日初めて思った。
あんな風に、誰かを笑顔にできる人になりたい。
それが、暇72という少年の夢の始まりだった。
◇◇◇
──数年後。
「……ふぁぁ」
高校二年生になったなつは、大きな欠伸をしながらスマホを眺めていた。
休日の昼。
ソファに寝転び、SNSをなんとなく流していると、一つの投稿が目に留まる。
『重大発表 本日20:00』
投稿主は、Stellarisの元リーダー・LAN。
「重大発表?」
思わず身体を起こす。
解散してからというもの、メンバーはそれぞれソロ活動やプロデュース業を中心に活動している。
だからこそ、この投稿には嫌でも期待してしまう。
「復活……とか?」
そんなわけない、と自分で苦笑する。
Stellarisは、伝説のまま幕を閉じた。
だからこそ、美しかったのだから。
◇◇◇
午後八時。
スマホを片手に配信を開く。
画面が切り替わると、見慣れた笑顔が映った。
『こんばんはー!LANです!』
コメント欄が一気に流れる。
『きたあああ!!』
『重大発表!?』
『何!?』
らんは少し照れくさそうに笑うと、一枚の資料を掲げた。
『今日はね、みんなに大事なお知らせがあります。』
一拍置く。
『僕がプロデュースする、新しいアイドルグループのオーディションを開催します!』
「……っ!」
なつの目が見開く。
『歌やダンスの経験は問いません。必要なのは、本気でアイドルになりたい気持ちだけ。』
胸が高鳴る。
ずっと憧れていた人。
その人が、プロデュースするグループ。
『僕たちStellarisを超えるグループを、一緒に作りたい。』
その言葉が、胸の奥に真っ直ぐ突き刺さった。
「……なりたい。」
気づけば、そう呟いていた。
いや。
違う。
「なる。」
拳を握る。
このチャンスを逃したら、一生後悔する。
子どもの頃から追い続けてきた夢。
今、その夢への扉が目の前に現れた。
◇◇◇
翌日。
「オーディション?」
朝食を食べながら母が聞き返す。
「うん。」
「らんくんの?」
「そう。」
母は少しだけ驚いたあと、ふっと笑った。
「受けなさい。」
「……え?」
「昔から言ってたじゃない。」
“アイドルになりたい。”
「夢なんでしょ?」
なつは箸を置く。
胸が熱くなる。
「……うん。」
「だったら挑戦しなきゃ。」
その一言で、迷いは完全になくなった。
◇◇◇
部屋へ戻る。
机の上にスマホを置き、募集ページを開く。
応募フォーム。
名前。
年齢。
自己PR。
好きなこと。
将来の夢。
最後に、一つだけ質問があった。
あなたにとってアイドルとは?
なつは少しだけ考える。
そして、ゆっくり文字を打ち始めた。
『誰かの生きる意味になれる存在です。』
書き終えたあと、送信ボタンを見つめる。
指先が少し震える。
これを押したら、もう後戻りはできない。
でも──
あんな風に、誰かを笑顔にできる人になりたい。
その夢は、今も変わらない。
「……絶対、アイドルになる。」
小さく呟き、送信ボタンを押した。
画面に表示される。
ご応募ありがとうございました。
たった一行。
それだけなのに、世界が少しだけ変わった気がした。
夢への第一歩。
まだ何者でもない一人の高校生が、未来へ踏み出した瞬間だった。
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コメント
5件
早速最高だぁ! 赫母いい人すぎる…😃
初🌾失礼します~っ.ᐟ.ᐟ もう神すぎて泣きましたっ….ᐟ.ᐟ 桃彡翠彡がもう引退してる… 珍しい感じの雰囲気にワクワクしました~っ.ᐟ.ᐟ 表現もうますぎますっ.ᐟ.ᐟ 次回も楽しみですっ.ᐟ.ᐟ
みぅです🤍🥀 第1話、拝読しました。 なつくんが幼い頃にStellarisを見て「誰かを笑顔にできる人になりたい」って思ったシーン、すごく胸にきました。アイドルってまさにそういう存在だよね。 お母さんの「受けなさい」って背中を押す言葉も、あったかくてじんわり。 最後の「誰かの生きる意味になれる存在です」っていう自己PR、深いし、ちゃんとなつくんの想いが詰まってて…。 送信ボタンを押すときの指の震えとか、世界が変わった気がする感覚、すごく繊細に描かれてて感動しました。 なつくんの夢、ちゃんと応援したくなります🌙 次も楽しみにしてます!
ゆらね🎼🍵🍍🌸
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鶏そぼろ
72,372
茜音
40
ゆあ
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