「呪い、?」
「簡単に言えば、人の悲しみや恨み、そう言った負の感情が具現化した存在です」
「負の感情、」
そんなのがこの世に存在していたなんて、
「あれ、じゃあ、這いばいさん達もその、呪いなんですか?」
「いえ、彼らは呪いではなく怪異というのに分類されます」
「怪異、?」
「怪異は人の噂話から生まれるんだ
呪いはその噂話の恐怖心の具現化、怪異はその噂話の具現化のような存在なんだ」
「なるほど、つまりあの二人は呪いとは全く別物なんですね」
「えぇ、そしてあなたは、目視は出来ずとも気配を感じ取る事は出来ました。
今、あなたには二つの選択肢があります」
「、選択肢、」
「一つ目は、このままの生活を続けていき
呪いに殺されるか、私達に怪異諸共殺されるか」
「そして二つ目は、私達に保護され呪術師としての道を歩むか」
「呪術師、?」
「呪術師は呪いを祓う人の事、つまりは僕達の事だね」
「、、、」
私は顔を俯かせた、このままならいずれ、
私と赤傘さん、這いばいさん、みんな殺されてしまう
だが、呪術師の道を歩んだとして、私は責務を真っ当する事が出来るのだろうか
私の小さな脳で考えても、結局考えはまとまらなかった
「、ごめんなさい、少し、考えさせてもらっても、良いですか、」
「うん、ゆっくりで良いよ。いきなりごめんね」
威勢の良い声の男性がそう言い、私の頭に温もりが乗った
「、すみません。本当は、幼いあなたにこんな事を選ばせたくなかった」
低い声の男性がそう言うと、私の背中に温もりが伝わった
「あ、そういえば!まだ名乗ってなかった!
僕は灰原雄!」
「、七海建人です」
「あ、私は暁月巴です!」
「巴ちゃんかー!よろしくね!」
その後、一人で帰るのは心配だと七海さんから言われ
私は灰原さんに抱っこされ、そのまま家まで送ってくれた
(途中で現れた赤傘さんと這いばいさんは不服そうにしていた)
「ここまでありがとうございました、灰原さん、七海さん」
「ううん!こちらこそ、話を聞いてくれてありがとうね!」
「何かあれば、ここへ掛けてください」
「!これ、」
七海さんの声と共に、私の手にはとある紙が握らされ、触ってみると紙には点字が載っていた
「え!?七海、点字書けたの?!」
「少しだけですが、一応」
「わぁ、凄いですね、!七海さん!」
「、別に、褒められる程の事では、」
七海さんのそんな声が聞こえ、くすりと笑っていると
「!巴!!」
「!」
久しぶりに聞き慣れた声が聞こえ、私の腕が強く後ろへ引かれた
「っ、!」
“ ! あなた ! ”
あまりに強い力で引かれた為、私の顔は痛みに歪んだ
「アンタ、こんなところで何をしているの?!外に出るなって言ったでしょ?!」
「ご、ごめんなさい、!」
「気持ち悪いのよ!ご近所さんに変な噂でも立てられたらどうするの?!ただでさえ邪魔なのに、これ以上私に迷惑かけるつもり?!」
「うぐっ!痛い!ごめんなさい、ごめんなさいお母さん!!」
私の髪が乱暴に捕まれ、身体が浮かび上がった
“ ! 彼女 傷つける お前 許す ない ”
“ 彼女 泣く 私 悲しい お前 殺す ”
這いばいさん達の気配が変わり、殺意にも似た気配を醸し出していた
まずい、止めなきゃ、!
その時
「やめてください」
「これ以上、彼女を乱暴にするなら僕達が許しません」
「!」
七海さんと灰原さんの冷たい声が私の耳へ届いた
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