お久しぶりです、れゆです。新連載です。
実はわたくしえろも好きですが作り込まれた物語系大好きでして今回はそういう系の話になります。Rメインの話ではありません。
青桃/微ファンタジー
舞台のイメージは1900年前後のイギリスです。街並みとかはそういう感じで想像してください。
この町には時計台がある。
人々の生活の始まりである朝8時、日中の区切れとなる12時、そして人々が帰路に着く午後6時になると歴史を感じる鐘の音が町に鳴り響くのだ。
人々はその当たり前の日常である鐘の音を日々享受している。
そこに犠牲があることなど考えもせずに。
ーーー
桃:「…せんななひゃくと…にひゃくさん、」
指を折り数えるも昨日と変わるのは一つだけ。そんなことは分かっている、でもやることがないのだから少しでも時間を消費するためにはこんなことでもやった方がいい、というのが持論である。
最もその持論を披露する場も聞いてくれる仲間もいないのだけれども。
ごろんと木張りの床に寝転がれば遥か真上に見える時計の歯車。横向きになって床に耳をつければ細かな歯車の軋みまで感じ取れる。
毎日毎日、代わり映えのしない規則的なノイズ。聞き慣れすぎてしまったその音を脳から消そうと立ち上がり螺旋状の階段を登った。
桃:「忙しそう、だな」
時計台上部からはこの町が一望出来る。今日も今日とて沢山の人が通勤通学に向け忙しなく動いていた。
桃:「おやぁ?やけに急いでる子がいる…」
多くの人々が向かうのは町の東にある大きな駅。その流れに逆らうように1人の青年が時計台に向かって走っている。
段々と近づいてくるその人はさらさらの深い青髪と同色の目をした青年。慌てている様子に興味を持ち目を凝らせばその青年を追いかけるガラの悪い男数人。年齢は青年と同じくらいだろう。
青年が時計台下の茂みに逃げ込む、当然男達もそれを追う。男達が奔走されているうちに青年は時計台に近づいてきた。
キィ、と錆び付いた金属音を立ててこの空間に青年が足を踏み入れる。
俺以外のものがここに入ってきたのは実に200と45ぶりであった。
ーーー
青:「っは”、はぁ”ッ、ぁ”」
息も絶え絶えに駆け込んできた青年。階段を下り青年の視界に入るようにする。
桃:「…随分、お困りのようだね?」
青:「っ”は、…?」
誰、と薄ピンクの唇から紡がれた掠れた声。近くで見てみるとなるほど、どうやら顔の造形美に長けた人間らしい。凛とした輝きのある目に通った鼻筋、全体的にくっきりとした顔立ちの美青年だ。
桃:「ないこ、君の名前は?」
青:「おれ”は、ぁ”ッ…えほ、げほッ”!!」
相当焦って走っていたのだろう。声を出すなり咳き込んでしまった青年。数歩近づき青年の喉に触れる。
首を両手で包み込むと咳き込みながらも警戒するような目で俺を見てきた。見ず知らずの奴にいきなり物理的接触を図られたら誰だって不審に思うだろう、無理に動こうとしないあたり賢いように思える。
桃:「じっとしててね」
指先に力を集め 青年の身体を癒した 。
疲れていたようで少し癒してやっただけで随分と顔色が良くなっている。もう一度問うた。君の名前は、と。
青:「いふ、です」
透き通った美しい声の持ち主だった。耳に心地のいい声で続ける。
青:「…何者、ですか」
警戒心の抜けない深い蒼色の瞳が身体の芯でも射抜くように見据えた。誘導されるように口を開く。
桃:「魔術を操るもの」
桃:「君たち人間の言葉を借りるならば“魔女”という類の者だよ」
chapter.1 初めまして、人の子。
コメント
2件
物語の舞台もストーリーも設定もめちゃくちゃ好きです︎!!🫶💕 続き楽しみにしてます!!!👀✨️
はぁ、すきです 2人の口調が現代と少し違うのがもーだいすけポイント!!! オシャレな雰囲気だし服装勝手にはるうるみたいなイメージしちゃってますごめんなさい土下座 続き楽しみにしてるねーーーん😘🩷💙