✿赤視点
あの時の会議から2ヶ月後ー
俺とまぜとけちゃはダンスレッスンを終えて
とあるお店にご飯に来ていた
「あ、これ美味しい!まぜちも食べてみてよ 」
「ん?んーー確かに美味いな!あっとも・・・ってあっとは食えないか」
「あー・・・悪い」
「あっちゃんきのこダメだもんね」
「・・・」
(そうだよ、食えなくて悪かったな)
思わずそんな悪態をついてしまいそうになったから俺は口を開かなかった
(てかなんで2人は隣に座ってるの?いや別に珍しいことじゃないかもだけど、大体はまぜはいつも俺の隣に座ってくれてたじゃん)
普段なら気にならないことも気になってしまう
些細なことで苛立ってしまう
なんでなんだろ・・・なんか変だ・・・そういえばさっきから少し頭が重いような・・・
「あっと!あーっと!」
「?! え、何・・・?」
「何じゃなくて、けちゃおがあっとに聞きたいことあるって」
それ、自分から切り出せなかったの?
まぜを通す必要あったの?
「聞きたいこと?何?」
頑張って笑顔をつくる
素を出すと怖がらせてしまうかも知れないから
「あのね!あっちゃんがこの前作ってくれたサムネ、凄く良かったからさ
僕にも素材とか作り方とか教えて欲しいなって」
何でわざわざ教えなきゃならないの?
「褒めてくれてありがとうねけちゃ」
「僕もねあっちゃんのお手伝いしたいんだ、 あっちゃんいつも睡眠時間とか削って作業してくれてるでしょ?だからちょっとでもあっちゃんの負担を減らしたくて・・・」
負担を減らしたいと思うならさ
俺から教えを請わないでよ、他の人に教えてもらえば良くないか?
「けちゃおは偉いなぁーあっとのこと心配して
自分の出来ることを増やそうと思ったんだよな」
「えへへ、そりゃ当然でしょ!みんなで1つのグループなんだから!支え合わないとでしょ」
「そうだなぁ、よしよし」
「わっちょっとまぜち撫でないで!頭ボサボサになるーーっ」
・・・え?俺は一体なにを見せられてんの?
なんか俺をだしにしてイチャつかれてる?
あぁなんか、気遣いとかそんなの
すごくバカバカしく思えてきた・・・
こっちはこんなに配慮して気持ちを押し殺してるのに
そっちはズカズカと人の心を荒らすんだな
「けちゃ、あのさ」
「うん!何?あっちゃん」
「心配してくれるのは嬉しいよ、けどハッキリ言わせてもらうと迷惑かな」
「・・・は?あっと何言ってんの・・・?」
あれ、まぜ怒った顔してる・・・
そりゃそうか・・・今まさにけちゃは俺に傷つけられたんだもんね
「俺からやる事奪わないで欲しいんだよ」
「奪うじゃなくて手伝いたいんだって言ってたろ?けちゃおの話ちゃんと聞いてたか?」
・・・っ何でまぜはけちゃの味方なの?
何で俺にそんな言い方するの?
あぁもう、すごく、頭が痛い・・・何も考えられない
「ごめん2人とも俺帰る」
「あっちゃん!」
けちゃが泣きそうな顔で俺を呼び止める
泣きたいのはこっちだよ・・・・・・
「あっと、帰る前にけちゃおに謝らなきゃだろ?」
やめてよ、そんな目で俺の事見ないでよ
「・・・っ」
「あっと!!」
俺は店を飛び出した
いつの間にか空はどんよりと曇っていて
雨も強く降っていたけれど、俺は気にもとめずに
走っていた
『辛くなったら俺を頼ってくれ!』
ぷりの言葉を思い出す
「・・・頼っていいかな・・・?」
もう1人で気持ちを押し殺すのは限界だった
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続き気になります!!