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私が失っていた記憶を取り戻したのは、彼女を遠目から見た時。
周りに必死に合わせ、やけにリアルな作り笑顔をして自分を隠している健気な姿を、失っていた記憶の頃の私に重ねた。
周りに人が居るのに孤独であり、信用せずに体裁だけを必死に保っている姿を。
その当時の私は10歳、彼女は13歳だった。
私は何となく、自分の生まれた場所が違うのかもしれないと思った。あまりにもその姿は、私に似すぎていたのだ。
髪色や目の色は違うが、他とは違う耳の特性、元となる種族や、声のキーも同じだった。
多分、私が彼女に産まれたら、見た目は同じになるだろう。
「 ―届かない祈りに、呉罰を。 」