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らんの背中は冷たい壁に押しつけられ、息が荒く震えていた。
目の前のいるまは容赦がない。低く笑いながら、らんの顎を指で持ち上げると、逃げ場を与えない視線で見下ろした。
「ほら、顔、見せろよ。俺から目ぇ逸らすな」
荒い息とともに吐き出されたその声に、らんの背筋がぞくりと粟立つ。抵抗しようとする意思はあるのに、からだは素直に開いてしまう。
「っ……あ、ぁ……」
強く抱き込まれるたびに、らんの喉から漏れる声は甘く濁っていった。
思考は掻き乱され、表情は次第に蕩けていく。
「声、我慢できねぇのか?」
「……だって……、んっ……っ」
言い訳のように震える声を、いるまは口づけで塞ぐ。深く舌を絡められるたびに、らんの目が潤んで焦点を失っていく。熱と快楽に呑まれて、もう理性を繋ぎ止めることはできない。
「……ほら、もう顔ぐちゃぐちゃ。可愛いじゃん」
嘲りと甘さの入り混じった囁きに、らんは羞恥で震えながらも、その言葉を否定できずにいた。
らんは壁に背を預けたまま、肩で大きく息をしていた。
熱に浮かされたように視界が揺れ、焦点は定まらない。必死に唇を噛んで声を堪えようとするのに、いるまの容赦ない動きがそれを許さない。
「……や、ぁ……っ、ん……っ!」
喉の奥からこぼれる声は、もう甘さしか残っていなかった。
普段は仲間を率いる冷静なリーダーであるはずの自分が、今はただ、快楽に翻弄される存在に堕ちていく。
「らん」
耳元で落とされた低い声に、らんは思わず目を上げる。
だが、鏡のように映り込むいるまの瞳に、自分の蕩けきった表情が浮かんでいるのを見た瞬間、羞恥と同時に背筋を駆け上がるような快感が走った。
「あっ……、や……やだ、見ないで……っ」
「やだ? ほんとにそう思ってんのか?」
挑発するように囁かれ、唇を強く噛む。
必死に否定したいのに、身体は正直で、熱はさらに深く広がっていく。
視線が揺れ、涎がつっと口角を伝う。
その瞬間、理性の最後の糸が切れ、らんは崩れ落ちるようにいるまの胸に縋りついた。
「……っ、あ、ぁ……っ、も、もう……むり……っ」
快楽に飲まれたその顔は、羞恥を超えて、恍惚に歪んでいた。
いるまは満足げに笑みを浮かべ、濡れた額に軽く口づけ、らんを揺さぶり続けた。
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らんの視界はもう白く霞んでいた。
熱に揺らめく頭の中で、理性は跡形もなく溶け落ちている。
「っ……あ、ぁ……っ……♡」
もはや言葉にならない声が勝手に喉を震わせ、涎は顎をつたって首筋に落ちる。
瞳は半開きで焦点が合わず、頬は上気して紅潮し、口は蕩けたように開いていた。
「……は、はぁ……っ……♡」
その顔は恥も外聞もなく、ただ快感に呑まれきった表情。
いるまが覗き込むと、らんはぐしゃぐしゃに涙を浮かべながら、だらしなく笑みさえ浮かべている。
「……アヘってんぞ、らん」
耳元で囁かれ、羞恥が走るはずなのに、らんの身体はむしろ小刻みに震え、快感に反応してしまう。
拒絶するどころか、より深く、より激しく求めてしまう自分を止められなかった。
「っ……ぁ、あ……♡ や……っ……も、もう……っ♡」
頭を振って必死に拒もうとする仕草さえ、蕩けた瞳と乱れた吐息のせいで逆に甘美な誘惑となる。
完全に崩れた表情を晒しながら、らんはいるまにしがみつき、無意識に「もっと」と身体を預けてしまっていた。
「…たまんねぇな」
いるまは満足げに笑い、壊れかけたらんの理性を容赦なく貪り続けた。
頭の中は真っ白で、思考はとぎれとぎれ。残っているのは熱と痺れだけ。
「っ……あ……ぁぁ……♡ や……っ、も、むり……っ♡」
否定の言葉を吐いているはずなのに、その声は甘く蕩け、必死に縋りつく手はいるまを逃そうとはせず、むしろ求めるように強く握り込んでいた。
「ほら、イけよ」
耳元で囁かれた瞬間、らんの背筋を電流のような快感が走り抜けた。
瞳は大きく開き、焦点の合わないまま天井を仰ぎ、舌が零れ落ちるように口から覗く。
「っ……あ、あぁぁぁ……♡♡」
理性も羞恥も壊れて、全身が痙攣するように跳ね上がる。
その瞬間、らんは甘い声を上げながら、快楽の絶頂に呑み込まれていった。
涎と涙で濡れた顔は完全に蕩け、頬は紅潮し、恍惚とした笑みさえ浮かべている。
胸の奥まで支配されるような絶頂感に、ただ喘ぎ、身を震わせるしかなかった。
「……いい顔だな、らん」
いるまの低い声が耳に落ち、らんは痙攣しながら、その言葉にさえ甘く震えていた。
らんは胸を大きく上下させ、息も絶え絶えにぐったりと壁に凭れかかっていた。
全身は汗に濡れ、涙と涎で濡れた顔は、絶頂の余韻に酔いしれている。
「っ……は、ぁ……あ……♡」
もう立っているのもやっとで、指先はいるまの服を掴んだまま力なく震えていた。
しかし、いるまはそんな様子を見ても休ませてやる気などさらさらなかった。
「おい、もう終わったと思ってんの?」
低く笑いながら顎を持ち上げ、蕩けた表情を無理やり見せつける。
らんは怯むように瞬きを繰り返し、声にならない声を零した。
「っ……む、り……っ……ぁ……」
小さな拒絶。だが、汗ばんだ体は敏感に震え、触れられるたびにびくびくと跳ねる。
その様子に、いるまの目はさらに愉悦の色を深めていった。
「無理じゃねぇよ」
容赦なく攻め立てる。
さっきの絶頂で敏感になりきったらんの神経は、ほんのわずかな刺激さえ快感に変わり、息もできないほどにのたうつ。
「や、ぁ……っ、あ……あぁぁっ♡ も、むり、っ……っ♡」
叫び声は拒絶のはずなのに、濁った吐息と蕩けた表情はすでに快楽に呑まれていた。
足元から崩れ落ちそうになるらんを、いるまはしっかり抱え込み、そのままさらに深く沈めていく。
「泣きながら、もう一回イけよ」
その囁きに、らんの瞳は涙で揺れ、次の波へと再び引きずり込まれていった。
らんは何度も波に呑まれ、そのたびに泣き叫ぶような声を上げていた。
痙攣するからだは力を失い、もはや自分の意思では動けない。
ただ、いるまに抱え込まれ、翻弄され、限界を超えて――。
「……っ、あ……ぁ……♡ ……も、むり……っ……」
最後の声を振り絞ると同時に、らんの体はびくんと震えて大きく跳ね上がり、絶頂の余韻に全身を奪われていった。
涙と汗と涎に濡れた顔はぐしゃぐしゃで、頬は真っ赤に染まり、唇は甘く開いたまま震えている。
いるまは満足げに笑みを浮かべながらも、今度は乱暴に追い立てることなく、ぐったりしたらんを胸に抱き寄せた。
熱を持つ額に唇を触れさせ、乱れた髪を指で梳く。
「…お疲れ。よくやった」
低い声に包まれて、らんの震えは次第に落ち着いていく。
意識は朦朧としているのに、腕だけは弱々しくいるまの服を掴み続けていた。
「……ばか……っ……ひとりで……っ、勝手に……」
か細い声で責めるように呟くらんに、いるまは苦笑しながら背を撫でる。
「勝手になんてしてねぇよ。……お前が煽ったんだろ。…もういいから寝てろ」
その囁きは、らんの胸の奥深くまで染み込み、眠りに落ちる寸前の意識を甘く溶かしていった。