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露夜の後を追って15分くらいたった。
暗い森の奥へと進んで行くと、そこには、大きいハウスらしき建物があった。
あれが、皆の言っていたハウス………
暗めの色を使った木造のハウス。だけど、とても丈夫そうだ。
古そうな雰囲気をただよわせたそのハウスに僕は思わず眺めてしまった。
露夜:「何をボーと眺めているんだ貴様。さっさと入るぞ」
伯最:「あ、うん……」
露夜の冷たい態度に少々イラっとしたものの、また脅されるのは怖いので黙っている。
3mほどのドアを露夜が両手で引き、開ける。
キィーッとの音すらならない……。僕は寒気を感じる。
中は、外と比べ物にならないぐらいに明るく、まるでお城の玄関のようだった。
伯最:「す、すご……」
思わずそう呟く。
そっと露夜の方を見たが、露夜は冷たく鋭い目と目が合ってしまう。
露夜:「貴様、さっきからなんなんだ?もうすこし大人しくできないのか?」
露夜がそう言う。
そんなに言わなくても……なんて思っていると同時にまたイラつきを感じた。
露夜が玄関を歩き始めた為、僕はまた露夜のあとを追う。
ハウスの中を眺めながら進むと、次はオフィスのような場所へ着く。
本当にこのハウスは広いなぁ……。見た感じよりも数倍大きいような……?
見渡すと、食堂とか、各部屋とか、お風呂の部屋とか、、
ここは沢山人がいるはずなのに、誰も居ない…………。
伯最:「な、なんで皆居ないんだろう……?」
露夜:「殆どは仕事だろう。あと数名はお嬢様とともにいると思うがな」
また、露夜の口からはお嬢様の言葉。
お嬢様って、ここのハウスのお嬢様なのかな……?
露夜がまた口を開く。
露夜:「今からお嬢様の所へ行く。無礼な事はするんじゃないぞ?」
露夜が僕をギロッと睨む。
僕のこと心から嫌いなんだろうな………………。
怯えながらも進むと、また玄関のドアと同じくらいのドアが現れる。
僕達がドアの前に立つと、ドアが開く。
露夜がそっと歩き出した。僕も着いていく。
??:「露夜、お疲れ様。大変だったんじゃないかしら?」
中性的な声が部屋に響く。
部屋を見渡すと、メイドが1人、狩人と思うのが1人、また執事が1人居た。
そして、真ん中の高級そうな椅子にはお嬢様らしき人物が座っていた。
目は深緑と赤紫のオッドアイ。髪は純白で腰までの長さだ。狐のような耳に、9本の尻尾。間違いない。この人は九尾の狐だ………………。
露夜:「いいえ、お嬢様のためならばこんな仕事……。」
先程の露夜とは違い、丁寧な口調で話す。
露夜がこうなっているんだ。そうとう偉いお方なんだろう……。
??:「……君が、伯最君かしら?」
お嬢様らしき人物が僕にそう問う。
伯最:「は、はい……!」
怖い気持ちを抑え、ハッキリと返事する。
??:「あら、良い返事ね。急にここに連れられて驚いてるでしょうに」
白いまつ毛と合わさった瞳が僕を見つめる。
僕は緊張して何も言い返せなかった。
??:「……緊張しているようね。紅茶でも飲むかしら?」
お嬢様らしき人物がそういったため、僕は首を縦に振る。
そうすると、お嬢様らしき人物は指を上から下へと下げる。その瞬間、僕の目の前に大きい机と2席の椅子が現れた。
驚きで呆然するなか、お嬢様らしき人物……いや、お嬢様は2席のうち1席に静かに座り、「座りな」と言わんばかりに僕を見る。
僕は余った1席に腰をかける。
??:「音ちゃん、紅茶をついで頂戴。」
お嬢様がメイドに向かいそう言う。
メイドはコクリと頭を下げ、部屋を出る。
??:「そういえば、私の自己紹介をしていなかったわね。」
お嬢様がふと言う。
そして、自己紹介を始めた。
??:「私は妖霜 琉玖亜。ここのハウスの1番上の……みんなからはお嬢様と言われているわ。このハウスは私が生成したもので、ここの管理をしているのよ。」
琉玖亜と言う名前なのか…………。
多分、お嬢様と読んだ方がいいかな……。
そう思っていると、メイドが紅茶を持ってくる。
そして、ついでは僕とお嬢様にコップを渡し、頭を下げてから元の所へ戻る。
お嬢様が紅茶を上品に飲み始める。
僕も1口ちょびっと飲む。
琉玖亜:「お嬢様と言われているけど、別に偉い訳では無いわ。勝手にここでお嬢様としてやっているだけだもの。未だに「お嬢様」のキャラは馴染んで居ないのだけどね。」
慌てて飲む僕の気を使ったのか、お嬢様がそう言う。
まだ混乱してるけど……少しは落ち着いたかな……。
琉玖亜:「で、本題は伯最君を呼んだ理由についてなのだけど」
伯最:「僕を呼んだ理由……?」
琉玖亜:「混乱してる中また混乱させてしまうかもだけど……。ここの部員にならない?」
伯最:「……え!? 」
続く